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林田力 記事一覧

林田力「海難除けの御利益「洲崎神社」」リアルライブ2010年9月9日
http://npn.co.jp/article/detail/21120994/
林田力「To the Very Endが一夜限りの復活ライブ」リアルライブ2010年9月13日
http://npn.co.jp/article/detail/33717565/
http://news.livedoor.com/article/detail/5007029/
林田力「沖縄の米軍基地問題は歴史が重要」PJニュース2010年9月15日
http://www.pjnews.net/news/794/20100914_7
林田力「ミネラル豆乳ダイエットに挑戦」リアルライブ2010年9月17日
http://npn.co.jp/article/detail/41003911/
林田力「勝海舟と坂本龍馬の意外な共通点」リアルライブ2010年9月18日
http://npn.co.jp/article/detail/62390419/
林田力「理科離れ克服は、あぶない科学実験で」リアルライブ2010年9月20日
http://npn.co.jp/article/detail/01409577/
林田力「新築マンションがホーンテッドマンションに」リアルライブ2010年9月22日
http://npn.co.jp/article/detail/54637640/
林田力「ターザン後藤選手の飲み会イベントに潜入」リアルライブ2010年9月25日
http://npn.co.jp/article/detail/55916919/
林田力「尖閣諸島沖衝突事件での海上保安庁認識の差」PJニュース2010年9月28日
http://www.pjnews.net/news/794/20100927_6
林田力「中国人船長の釈放と小泉政権の先例」PJニュース2010年9月28日
http://www.pjnews.net/news/794/20100928_11
林田力「尖閣弱腰外交が管直人を救う可能性」PJニュース2010年9月29日
http://www.pjnews.net/news/794/20100928_16

林田力「超高層マンションに建設作業員の自縛霊」リアルライブ2010年10月4日
http://npn.co.jp/article/detail/97703019/

林田力「くらコーポレーションが内定辞退強要報道に反論」PJニュース2010年10月14日
http://www.pjnews.net/news/794/20101014_5
林田力「若年層右傾化の背景と限界(上)」PJニュース2010年10月15日
http://www.pjnews.net/news/794/20101014_7
林田力「若年層右傾化の背景と限界(中)」PJニュース2010年10月16日
http://www.pjnews.net/news/794/20101014_8
林田力「若年層右傾化の背景と限界(下)」PJニュース2010年10月18日
http://www.pjnews.net/news/794/20101014_9
林田力「住生活グループの横浜ベイスターズ買収に違和感」PJニュース2010年10月18日
http://www.pjnews.net/news/794/20101017_7
林田力「『白竜』『静かなるドン』に見るヤクザ漫画の方向性」リアルライブ2010年10月19日
http://npn.co.jp/article/detail/75297024/
林田力「「地区まちづくり」など不可能な地区まちづくり条例制定の動き=東京・中野区」PJニュース2010年10月19日
http://www.pjnews.net/news/794/20101017_9
林田力「添加物を使用する「無添くら寿司」」PJニュース2010年10月19日
http://www.pjnews.net/news/794/20101018_4
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(1)ウイルス」PJニュース2010年10月20日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_6
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(2)ボット」PJニュース2010年10月21日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_7
林田力「『龍馬伝』いろは丸事件で魅せた坂本龍馬の魅力」リアルライブ2010年10月21日
http://npn.co.jp/article/detail/12906205/
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(3)パスワード」PJニュース2010年10月22日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_8
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(4) USBとICカード」PJニュース2010年10月23日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_9
林田力「劉暁波ノーベル平和賞受賞をスルーする左派の見識」PJニュース2010年10月24日
http://www.pjnews.net/news/794/20101022_8
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(5)ハードディスク」PJニュース2010年10月24日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_10
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(6)無線LAN」PJニュース2010年10月25日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_11
林田力「豆乳に飽きたら大豆飲料」リアルライブ2010年10月25日
http://npn.co.jp/article/detail/66970748/
林田力「2010年慶應連合三田会大会開催=横浜」PJニュース2010年10月25日
http://www.pjnews.net/news/794/20101025_4
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(7) EAP」PJニュース2010年10月26日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_12
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(8) シングルサインオン」PJニュース2010年10月27日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_13
林田力「『龍馬伝』岩崎弥太郎は主役を食うか」リアルライブ2010年10月27日
http://npn.co.jp/article/detail/55883013/
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(9) ポートスキャン」PJニュース2010年10月28日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_14
林田力「リクシル・ベイスターズ消滅を歓迎」PJニュース2010年10月28日
http://www.pjnews.net/news/794/20101028_1
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(10) バナーチェック」PJニュース2010年10月29日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_15
林田力「サイゾー『タブー破りの本300冊』で感じた告発者の痛み」PJニュース2010年11月2日
http://www.pjnews.net/news/794/20101102_1
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(11)SYN Flood」PJニュース2010年11月2日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_16
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(12)リスクマネジメント」PJニュース2010年11月3日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_17
林田力「インターネットプランナーに聞くセキュリティ(13・終)リスク対策」PJニュース2010年11月4日
http://www.pjnews.net/news/794/20101019_18
林田力「第8回東京地方自治研究集会 再開発・まちづくり分科会(上)」PJニュース2010年11月4日
http://www.pjnews.net/news/794/20101103_2
「警察ジャーナリスト・黒木昭雄氏死亡への不審と、ネットで流れる様々な憶測」リアルライブ2010年11月4日
http://npn.co.jp/article/detail/79673490/
http://news.livedoor.com/article/detail/5117618/
林田力「第8回東京地方自治研究集会 再開発・まちづくり分科会(下)」PJニュース2010年11月5日
http://www.pjnews.net/news/794/20101103_3
林田力「インターネットプランナーに聞くネット告発潰し(上)」PJニュース2010年11月6日
http://www.pjnews.net/news/794/20101105_14
林田力「インターネットプランナーに聞くネット告発潰し(下)」PJニュース2010年11月7日
http://www.pjnews.net/news/794/20101105_15
林田力「世田谷区街づくり再出発の会=東京・世田谷(上)」PJニュース2010年11月7日
http://www.pjnews.net/news/794/20101106_6
林田力「ブラタモリで見た失われるニコタマの魅力」PJニュース2010年11月7日
http://www.pjnews.net/news/794/20101106_5
林田力「世田谷区街づくり再出発の会=東京・世田谷(下)」PJニュース2010年11月8日
http://www.pjnews.net/news/794/20101106_7
林田力「第40回赤旗まつり開催=東京・江東」PJニュース2010年11月8日
http://www.pjnews.net/news/794/20101107_8
林田力「大山鳴動して鼠一匹の尖閣ビデオ(上)」PJニュース2010年11月8日
http://www.pjnews.net/news/794/20101107_6
林田力「大山鳴動して鼠一匹の尖閣ビデオ(下)」PJニュース2010年11月8日
http://www.pjnews.net/news/794/20101107_7
林田力「『SKET DANCE』アニメ化への期待」リアルライブ2010年11月8日
http://npn.co.jp/article/detail/55887433/
林田力「韓流ドラマ『シンデレラのお姉さん』に見る怒の魅力」リアルライブ2010年11月10日
http://npn.co.jp/article/detail/37247232/


オーマイニュース炎上史

林田力「オーマイニュース炎上史(1)市民記者の勘違い」PJニュース2010年8月12日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_5
林田力「オーマイニュース炎上史(2)オピニオン会員廃止」PJニュース2010年8月13日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_6
林田力「オーマイニュース炎上史(3)光市事件前編」PJニュース2010年8月14日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_7
林田力「オーマイニュース炎上史(4)光市事件中編」PJニュース2010年8月15日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_8
林田力「オーマイニュース炎上史(5)光市事件後編」PJニュース2010年8月16日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_9
林田力「オーマイニュース炎上史(6)映画『靖国』前編」PJニュース2010年8月17日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_10
林田力「オーマイニュース炎上史(7)映画『靖国』後編」PJニュース2010年8月18日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_11
林田力「オーマイニュース炎上史(8)オーマイライフの成否」PJニュース2010年8月19日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_12
林田力「オーマイニュース炎上史(9・終)オーマイライフの意義」PJニュース2010年8月20日
http://www.pjnews.net/news/794/20100811_13


『てっぱん』に続き『美男ですね』でも明かりになった瀧本美織

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』(イケメンですね)が7月15日から放送を開始した。『美男ですね』は見習いシスターの主人公が双子の兄に扮して人気バンドA.N.JELLの新メンバーになる韓国の人気ドラマの日本リメイク版である。
ドジな女性が男性になりきるドタバタ劇と、イケメンに囲まれる胸キュンなラブコメディが韓国のみならずアジア中で大人気となった。その要素は日本版でも健在であるが、日本版では主演が明るく元気な瀧本美織に相応しく、主人公の桜庭美子がイケメンメンバーを引っ張る展開も見せた。
瀧本美織の明るさはオリジナル版の美子に相当するコ・ミニョ(パク・シネ)の空回りするドジっ娘というイメージには合っている。一方で修道院生活を送る世間知らずの内気な女性というミニョのイメージを壊す危険もある。この点でドラマでは孤児院生活の回想を挟むことで、美子のキャラクターを説明付けた。瀧本も男性の裸を見て硬直してしまうなど純な女性を演じている。
海外の人気ドラマのリメイクは伝統的な手法であるが、『美男ですね』の難しいところはオリジナルの視聴者が多い点である。直近ではオリジナル版が5月にフジテレビ系列で放送されたばかりである。オリジナルと同じではリメイクの意味がなく、オリジナルを壊せばオリジナルのファンから叩かれる。日本版は基本設定を踏襲するが、細部には独自設定を加えている。
たとえば倖田來未が歓迎パーティーに招待された芸能人として本人役で登場する。A.N.JELLの事務所社長・安藤弘(高嶋政伸)は「You」などジャニー喜多川のような話し方になっている。これはA.N.JELLのメンバーが桂木廉(玉森裕太、Kis-My-Ft2)、藤城柊(藤ヶ谷太輔、Kis-My-Ft2)、本郷勇気(八乙女光、Hey! Say! JUMP)とジャニーズのアイドルであることからの茶目っ気である。
そしてA.N.JELLのマネージャー馬淵始(柳沢慎吾)は原作以上にテンションが高い。桜庭美子(瀧本美織)に兄・美男の代役を頼む展開は強引である。その後も美子をメンバーの中に残して自分は帰ってしまうなど身勝手であった。オリジナルではマネージャーとコ・ミニョが協力していたが、日本版は美子任せの要素が強い。
そのために美子が一人で悩む展開が多くなり、かえって主人公の存在感が際立った。幼少期の美子と美男の孤児院生活が繰り返し回想され、歌手になるという兄の夢を実現させたいという美子の兄妹愛が強調される。
初回放送の後半は日本版独自のストーリーで、児童養護施設向けコンサートを実現するために美子が奮闘する。A.N.JELLは圧倒的な人気を誇るバンドという設定であるが、日本版ではビッグになるには何か欠けている発展途上の存在と位置付けられている。新メンバー追加もオリジナルではボーカルの喉の負担軽減が理由であったが、日本版は単なる成長路線になっている。
さらに日本版のA.N.JELLは悪意にも曝されている。インターネットでは悪口が書き込まれ、児童養護施設の園長(石坂浩二)からは敵意をむき出しにされる。オリジナルのキム記者に相当するパパラッチ記者は日本版では三人組に増強された。そのような悪条件下でも美子は努力を放棄せず、メンバーや周囲の心を動かすことになる。
主演の瀧本美織はNHK連続テレビ小説『てっぱん』の主人公・村上あかりを演じて、明るく元気な女の子というイメージを確立させた。『てっぱん』の村上あかりの名前には幸せをもたらす明かりであって欲しいという母親の願いが込められている。児童養護施設のエピソードでは美子の奮闘がバンドのメンバーに良い影響を及ぼした。受け身なだけでなく、A.N.JELLを成長させる明かりにもなった瀧本演じる美子に注目である。(林田力)

『美男ですね』玉森裕太とチャン・グンソクに日韓アイドルの差

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第2話「恋の初ライブ!!」が7月22日に放送された。『美男ですね』は人気韓国ドラマのリメイク版で、オリジナル版ではファン・テギョンを演じたチャン・グンソクを一躍アジアの大スターに押し上げた。そのグンソクの役に相当する桂木廉役の玉森裕太(Kis-My-Ft2)は、グンソクのカリスマとは別次元の日本的アイドルとして独自性を発揮した。
『美男ですね』は見習いシスターの桜庭美子(瀧本美織)が双子の兄・美男に代わってイケメン・バンドA.N.JELLの新メンバーになるラブコメディーである。主要登場人物であるA.N.JELLのメンバーが韓国オリジナル版の雰囲気を出していることも話題である。
カン・シヌに相当する藤城柊(藤ヶ谷太輔、Kis-My-Ft2)は優しいが、損な役回りの男性である。いち早く美男が女性であることに気付き、美男に惹かれるものの、想いを伝えられない。ジェルミに相当する本郷勇気(八乙女光、Hey! Say! JUMP)は元気なムードメーカーである。美男が女性であることに気付かない勇気は、美男に妙な感覚を覚える自分に動揺する。
難問はテギョンに相当する桂木廉(玉森裕太)である。テギョンには潔癖症で気難しく高慢という性格的な難があるが、それを含めてテギョンにはスターというカリスマがあり、圧倒的なオーラを放っていた。グンソクと同等の存在感を他の俳優に求めることは酷である。
これに対して桂木廉は子どもっぽさを付加することで日本版の独自性を出した。美子(オリジナル版ではコ・ミニョ)のドジに廉(テギョン)が巻き込まれてしまう点はオリジナル版も日本版も同じである。テギョンはミニョを「事故多発地帯」と酷評しながらも、それを心の底では楽しむような余裕があった。それ故にミニョに惹かれる展開が自然につながる。
これに対して廉は美子のドジに「絶対に許さない」「絶対に認めない」と本気で激怒する。これは美子に悪気がないことを知っている視聴者からは、廉の潔癖症と相まって器の小さい人物と受け止められる危険がある。
より重要な点は、どれほど廉が怒り狂ったとしても、美子を許し、認める展開が控えていることである。「絶対に許さない」発言は偽りになり、廉は言葉が軽い人物になる。ミニョを酷評しつつも、全否定まではしなかったテギョンがカリスマとして一貫性を保ったのに対し、廉はスターとしては安っぽくなってしまう。
一方で第一印象が最悪というカップルは恋愛ドラマの王道的な展開である。本気で「許さない」とまで言った相手に惹かれる展開こそドラマになるとの見方もある。「許さない」発言も発言時の心情としては真実であり、その時その時の心情に正直な人物として好意的に評価する向きもあるかもしれない。過去を水に流す日本人と過去との一貫性を重視する韓国人の民族性の差が廉(テギョン)の描き方にも表れた。
完成された大スターのテギョンに対して、廉は事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)に「ビッグになるには何か欠けている」と評される発展途上の存在である。それ故に美子を演じる瀧本美織が『てっぱん』のように明るく引っ張っていくという要素も生まれるが、ここにも日韓のアイドル事情が反映する。
韓国アイドルはデビューまでに事務所がレッスンを積ませ、デビュー時の完成度が高い。それが日本でもK-POPを席巻させる要因となった。これに対して日本ではファンがデビュー時からアイドルの成長を応援する傾向が強い。日本化された『美男ですね』が描くアイドル像に注目である。(林田力)

『美男ですね』第3話、弱さを持った小嶋陽菜の性悪アイドル

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第3話「切なすぎるキス…」が7月29日に放送された。韓国の人気ドラマのリメイク版であるが、今回は韓国版のユ・ヘイ(ユイ)に相当するNANA役の小嶋陽菜(AKB48)が弱さを持った性悪アイドルを演じ、複雑になる恋愛模様を盛り上げる存在となった。
NANAは「みんなの妖精」と呼ばれる大人気アイドルであるが、本性は性悪で傲慢という裏表のあるキャラである。自分になびかない桂木廉(玉森裕太、Kis-My-Ft2)に反発しながらも興味を抱き、本気で惹かれていく。恋敵の桜庭美男(瀧本美織)を執拗に敵視し、A.N.JELLをひっかき回す存在である。
韓国版のヘイは憎たらしいほどのふてぶてしさを有していた。ヘイを演じたユイは『美男ですね』によって日本でも知名度が上がったが、強烈なヘイの印象が本人のイメージに投影されてしまうほどであった。そのヘイに相当する役が小嶋陽菜にキャスティングされたことは韓国版のファンには意外感がある。
小嶋は2008年放送のドラマ『ヤスコとケンジ』で意地悪な女子高生を演じた経験があるが、それでも、ノースリーブスの「マイペース担当」で、おっとりした小嶋がヘイの持つキツさを演じることはイメージしにくい。実際、小嶋はNANAとして裏表のある小悪魔ぶりを見事に演じているが、裏の性格の悪さも一種の強がりに見えてしまう。
日本版ではNANAの専属ヘアメイクのトオル(楽しんご)がオリジナル・キャラで登場する。トオルはNANAの本性を知っている人物で、NANAからワガママをぶつけられる存在である。NANAとトオルの関係によってNANAの本性が分かりやすく演出されるが、相手がナヨナヨした楽しんごであるため、女王様キャラも本性というよりも相手に合わせた演技に映る。
特に今回はNANAの弱さが際立った。NANAは嘘をついて桂木廉を呼び出したものの、怒った廉に履いていた靴を投げられる。さらに偶然ボールをぶつけられ、芸能人と知った一般人に囲まれるという災難に見舞われる。韓国版と同じ流れであるが、小嶋の演じるNANAでは悲惨さが強調される。
その性悪ぶりから見落とされがちであるが、ヘイは実は可哀想な存在である。ファン・テギョン(日本版では廉)への想いが報いられことはなく、優しい態度をかけられることもなかった。韓国版では芯の強いヘイは悪役に固定され、本気の恋愛対象からは外れた。しかし、弱さを持ったNANAは感情移入の対象になる。主人公の恋のライバルとして韓国版以上に存在感を発揮しそうな小嶋に注目である。
(林田力)

『美男ですね』第4話、藤ケ谷太輔が抑制された演技で切なさを表現

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第4話「告白!!届け…切ない片想い」が8月5日に放送された。桂木廉(玉森裕太)への桜庭美男(瀧本美織)の想いが深まっていく今回であったが、藤城柊を演じる藤ケ谷太輔が優しい男性の報われない優しさで存在感を発揮した。
『美男ですね』は韓国の人気ドラマの日本リメイク版で、今回も韓国版通りの展開が進む。美男と廉の相部屋の一夜、二人での親の墓参り、NANA(小嶋陽菜)をエスコートするマネージャー、ソロ曲のレコーディングで想いが溢れるシーンなど韓国版の名シーンが目白押しである。
惜しむべきは短縮しているために韓国版の味が十分に出せていない点である。たとえば廉が豚に追いかけられるシーンがある。韓国版では田舎でスターが骨休めをしている中での出来事で、のどかな直前との好対照が笑いを大きくする。これに対して日本版では豚の襲撃が唐突で、廉が間抜けに映る。豚に追いかけられる廉の描写も韓国版以上にコミカルであった。
日本版の廉はビッグになるには足りないものがある発展途上の存在に設定変更されており、カリスマ的な韓国版のファン・テギョン(チャン・グンソク)のファンには違和感がある。その中で今回は韓国版のカン・シヌ(チョン・ヨンファ)に相当する柊が味を出していた。柊は早い段階で美男が女性であることに気付くが、誰にも言わずに守り続ける。美男に惹かれていくが、美男には優しい兄貴分としい思われていない損な役回りである。
美男が廉に惹かれつつあることを知りつつも、柊はアプローチを続ける。廉とNANAの交際に動揺する美男には「廉のファンだから動揺する」と説明し、「ファンならば幸せを願わないと」と諭す。美男が廉の部屋で寝る時も「困ったことがあれば何でも俺に言えよ」と言った。それでも柊の気持ちは報いられない。叔母の家に宿泊した美男を迎えに行くが、廉が迎えに来ることを期待していた美男は柊を見て立ちすくむ。「廉かと思った?」と尋ねる柊が寂しげであった。
前々クールの連続ドラマ『美咲ナンバーワン!!』で喧嘩っ早い男子高校生を演じたばかりの藤ケ谷太輔であるが、『美男ですね』では抑制された演技で柊の人柄を表現した。美男と柊のカップリングを応援したくなる今後の展開に注目である。
(林田力)

『美男ですね』第5話、小嶋陽菜の壊れていく女性の怖さ

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第5話「マジでキスした!?」が8月12日に放送された。今回も秘密のバスやブタ鼻、ブタウサギのぬいぐるみなど韓国オリジナル版の名シーンが目白押しであったが、小嶋陽菜が演じるNANAが恋に満たされずに壊れていく女性の怖さを演じた。
A.N.JELLのメンバーは韓国版以上に桜庭美男(瀧本美織)に執心で、恋の五角関係を盛り上げる。桂木廉(玉森裕太)はツンデレである。藤城柊(藤ヶ谷太輔)は美男の廉への想いを知りつつ、「廉の誕生日はナナちゃんが祝ってくれる」と言う黒さも見せる。本郷勇気(八乙女光)はトオル(楽しんご)という日本版オリジナルのオカマを絡ませることで、男性を好きになった微妙な心情を浮き彫りにする。そして美男に嫉妬の怒りを向けるNANAが韓国版とは別次元の怖さを見せた。
韓国版のNANAに相当するユ・ヘイ(ユイ)は清々しいほど憎たらしかった。それに比べると、おっとりしたイメージの強い小嶋陽菜が演じるNANAには、ふてぶてしさが足りない。本当はかわいらしい女の子が無理して性悪女王様を演じる痛々しささえ漂う。ところが、今回は自分が認めたくない現実に直面し、壊れていく女性の怖さがあった。
ユ・ヘイは性格が悪いが、自分を確固として持っている芯の強さがあった。それ故にユ・ヘイの登場シーンには安定感があり、笑いどころでもあった。むしろ主人公のコ・ミナム(パク・シネ)に何をしでかすか分からない不安要素があった。桂木廉に相当するファン・テギョン(チャン・グンソク)の顔色をうかがってオドオドし、思いつめて誰も望まない行動に走る。
これに対してリメイク版の美男は「てっぱん」で明るく元気な女の子を演じた瀧本美織らしくなっている。オドオドすることもあるものの、廉をからかう明るさも見せる。廉はテギョンと比べて子どもっぽくなっており、美男がリードするという韓国版と比べた主人公カップルの逆転現象も見られた。
代わりにNANAに何をしでかすか分からない怖さがある。他の客もいるレストランでグラスを壁に投げつけるシーンが象徴する。ここでは裏表のある女性ではなく、裏の顔が表に侵食している。韓国版の筋書きを知る視聴者にも予想外の波乱を起こしそうな小嶋陽菜の壊れていく悪女の演技に注目である。
(林田力)

『美男ですね』第6話、八乙女光のコミカルな中の誠実さ

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第6話「彼女は俺のモノだ」が8月19日に放送された。本郷勇気役の八乙女光がコミカルな役回りながら、真摯な演技で誠実さを出していた。
桜庭美男(瀧本美織)に激しく嫉妬するNANAは「女性であることを暴露する」と脅迫し、精神的に追いつめられた美男は高熱を出してしまう。一晩中看病した桂木廉(玉森裕太)だけでなく、藤城柊(藤ヶ谷太輔)も勇気も心配し、皮肉なことにNANAの悪意はA.N.JELLの結束を高める方向に働いた。
韓国オリジナル版のジェルミ(イ・ホンギ)に相当する勇気は明るく陽気なA.N.JELLのムードメーカーである。日本版の勇気は性格も金髪の外見もジェルミの雰囲気を出している。この勇気はA.N.JELLで唯一、美男の正体が女性であることに気付かないメンバーである。そして男性と勘違いしたままで、美男を好きになっていく。
カリスマ的な存在感を放っていた韓国版のファン・テギョン(チャン・グンソク)に比べると、廉には子どもっぽいところがある。コ・ミニョ(パク・シネ)を遠くから見守る足長おじさん的なところもあったカン・シヌ(チョン・ヨンファ)に比べると、柊は恋のライバルとして廉と張り合っている。これに対して勇気は最も韓国版らしさを出しているものの、日本リメイク版では男性を好きになってしまうアブノーマルさが強調された。
『美男ですね』は女性が男性に扮するドラマであるが、視聴者は正体が女性であることを知っている。そのために美男を男性ではなく、男性のふりをする女性と観ている。その中で男性と認識する美男を好きになる自分の気持ちに動揺する勇気は道化役となってしまう。特に日本版ではオリジナルキャラクターにオカマのトオル(楽しんご)を登場させ、男性を好きになった勇気の気持ちを笑いどころにしている。
しかし、同性愛を異端視し、笑いの対象とする演出はマジョリティのステレオタイプを反映したものに過ぎない。同じクールにインターセクシュアルをテーマにしたドラマ『IS(アイエス)?男でも女でもない性?』が放送される中で前時代的な演出になる。
これに対して、今回は勇気の真摯さが描かれた。代わりにトオルが絡む笑いどころは本人役で登場した香取慎吾(SMAP)と馬淵始(柳沢慎吾)の「しんご」トリオに任されている。香取慎吾は主演映画『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!』の宣伝で出演した形である。
テレビ局の営業事情を反映した香取の出演は韓国版のファンには眉をひそめたくなるところであるが、ドラマにも意味を与えている。香取の出演シーンではトオルらと一緒にバカをする香取と、それにドン引きしたA.N.JELLが対比される。A.N.JELLの態度はバカをやって盛り上げた先輩芸能人に対するものではないが、そのクールさが架空のバンドであるA.N.JELLの大物ぶりを示している。
勇気は美男と二人きりになったことに心をときめかせ、病み上がりの美男のために食事を作り、寝ている美男の唇にドギマギする。コミカルなシーンであるが、勇気を演じる八乙女はマジメで誠実さが表れている。お調子者の印象のある勇気であるが、美男への態度には美談が抱える重圧を和らげようという気持ちが込められている。
八乙女は2004年放送の『3年B組金八先生』第7シリーズで両親の薬物依存や家庭内暴力という深刻な家庭環境にある生徒を演じた。2009年放送の『オルトロスの犬』でも影のある役を演じた。今回にも対照的な役になるが、真剣に生きることと向き合っていた過去の役柄が背景となり、コミカルな中にも重みのある演技となった。次回は遂に勇気が美男を女性と知ることになる。美男を女性と知った勇気の反応にも注目である。
(林田力)

『美男ですね』第7話、嫉妬に燃える玉森裕太

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第7話「運命のキスと奇跡の告白!!」が8月26日に放送された。クールで無愛想な桂木廉役の玉森裕太が嫉妬に燃える姿を熱演した。
今回は桜庭美男(瀧本美織)が女性であることがA.N.JELLの全メンバーに公になる。藤城柊(藤ヶ谷太輔)は積極的に美男にアプローチし、傍から見ると美男と柊は、いい雰囲気になっている。それが廉には面白くない。柊が美男に告白して美男がトキメク妄想までして、それを阻止しようと躍起になる。
実際のところ、美男は廉が好きで、柊は悲しくなるほど異性として意識されていない。廉にドキドキする美男はブタ鼻で心を鎮めようとするが、真意の分からない廉はバカにされていると勘違いする。さらにNANA(小嶋陽菜)の意地悪も加わって、二人はすれ違いを続ける。それでも二人の互いを想う気持ちは明白であり、安定感のあるラブコメに仕上がった。
普段はクールな人物が恋愛で必死になる姿には滑稽味がある。廉が上から目線で「好きになることを許可してやる」と言ったところで、「お前が美男を好きなくせに」と突っ込みたくなる。視聴者はニヤニヤしながら廉というキャラクターを見守ることができる。
『美男ですね』は韓国ドラマのリメイク版であり、オリジナルとの比較は避けられない運命である。特に廉に相当するファン・テギョンを演じたチャン・グンソクは、この役でアジアの大スターとなった。廉を演じる玉森裕太には「チャン・グンソクには及ばない」というバッシングを受ける危険があった。
圧倒的なカリスマであったテギョンに対し、廉は子どもっぽくすることで日本版の独自性を出した。さらに今回は恋愛への必死さを出すことで、廉を愛すべきキャラクターとして演出した。
玉森は前クールの月9ドラマ『幸せになろうよ』では真っ直ぐな高校生・柳沢優次を演じた。両親が離婚調停中で自宅に居場所がないという彼女のためにアパートを借りて同棲しようとして、彼女にドン引きされる。文字にすると情けない役どころであるが、その必死さが好人物として描かれた。
トップアイドルの廉と優次では社会的立場が異なるが、恋愛に対する必死さは同じである。玉森の熱演は普通の恋愛ドラマとして楽しめる演技になっていた。好きな気持ちを必死に演じる俳優として玉森の今後の活躍にも期待が持てる。
次回の第8話はチャン・グンソクが本人役で登場し、美男の秘密を知るなどA.N.JELLと絡んでくる。不動のカリスマ・グンソクと愛すべきイケメン・玉森の共演に期待大である。
(林田力)

『美男ですね』第8話、A.N.JELLの一体感を高めたチャン・グンソクの出演

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第8話「チャングンソク遂に登場!!」が9月2日に放送された。今回は桜庭美男・美子(瀧本美織)の母親の謎や藤城柊(藤ヶ谷太輔)と桂木廉(玉森裕太)の告白という物語上の重要なイベントがあるが、それでもサブタイトルは「チャングンソク」である。韓流スターの存在感の大きさを示している。
本人役で出演したグンソクは、A.N.JELLと一緒に写真撮影に臨む。美男とベタベタするグンソクに対し、美男以外のA.N.JELLの面々は面白くない表情をする。
韓国オリジナル版で廉に相当するファン・テギョンを演じ、強烈な印象を残したグンソクをリメイク版に出演させることは大きな話題づくりになるが、作品そのものにとっては冒険である。グンソクによって廉のイケメンぶりが霞んでしまう危険があるためである。
実際、グンソクの登場シーンはグンソクに美男、その他大勢という構図になった。これはイケメン揃いのA.N.JELLの中でもひときわ輝く廉のキャラクター設定にはマイナスになる。
しかし、廉の反応を柊や本郷勇気(八乙女光)と同じにすることは廉の存在感を埋没させる一方で、A.N.JELLの一体感を描く効果がある。韓国版では美男に相当するコ・ミナム(パク・シネ)以外のA.N.JELLのメンバーは子どもの頃から一緒に活動しており、気心の知れた仲であった。韓国版ではエピソードの端々で活動歴が長いことを描いてきた。その積み重ねがあるからこそ、ミナムをめぐる恋の争いが勃発して険悪なムードが漂っても、グループ崩壊というような決定的なところには至らなかった。
これに対して日本版は美男加入以前のA.N.JELLの歴史への言及が少ない。A.N.JELLの面々が韓国版以上に恋に積極的であることもあり、メンバーの仲の良さよりも対立が強調されがちである。日本版は韓国版よりも放送回数が少ない以上、細かなエピソードの省略は仕方のないことである。
その代わりにグンソクという圧倒的なスターを対置させることで、A.N.JELLの一体感を示した。それは中盤の柊を傷つけるNANA(小嶋陽菜)の言動への「A.N.JELLは俺が守る」という廉のセリフにつながる。グンソクの出演は単なる話題作りに終わらない味のある内容になった。(林田力)

『美男ですね』第9話、悪女になりきった萬田久子

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第9話「最終章別れ…残酷な運命!!」が9月9日に放送された。桂木廉(玉森裕太)の実母・水沢麗子を演じる萬田久子が悪女を怪演した。
前半は満開の恋愛ドラマである。相思相愛を確認した桜庭美子(瀧本美織)と廉(玉森裕太)。一緒にいるだけで互いに幸せという初々しい恋愛を見せつける。それにショックを受ける本郷勇気(八乙女光)や「美男だけは譲れない」と宣言する藤城柊(藤ヶ谷太輔)と、恋のライバル達も光っている。
幸せいっぱいの美男と廉のカップルであったが、後半には急転直下する。二人の幸せを引き裂く存在が水沢麗子である。麗子は廉にとっては自分を捨てた憎むべき母親であり、美男の両親とも因縁がある。美男や廉の心理を読み手玉にとる憎々しいほどの余裕のある悪女であった。
麗子を演じる萬田久子はNHK大河ドラマ『天地人』で、上杉謙信の虚偽の遺言を偽証する妙椿尼を演じた。この偽の遺言が御館の乱の悲劇につながる。遺言の偽証は明らかに悪であるが、それが主人公サイドの利益になるという物語の善悪の価値基準が倒錯していた。それでいながら主人公の義を強調したところに『天地人』の不振の一因がある。
悪をなしながら悪女になりきれない中途半端さが残った妙椿尼に対し、『美男ですね』の麗子は悪女が全開である。美男に優しそうな言葉をかける態度も憎たらしい。他人を不幸にするためだけに存在するような女性を怪演していた。
『美男ですね』の二大悪女はNANAと麗子である。しかし、NANA役の小嶋陽菜はAKB48有数のマイペース派で、韓国オリジナル版のユ・ヘイ(ユイ)のような毒々しさに欠ける。ヘイは自分の方がファン・テギョン(チャン・グンソク)を好きなことを認めようとしないプライドの高さがあったが、NANAは専属ヘアメイクのトオル(楽しんご)から「恋する乙女」と揶揄されている。
パパラッチ記者に追及されて気絶したふりをするシーンは韓国版と同じである。韓国版ではヘイの図太さを印象付けたシーンであった。しかし、日本リメイク版では小嶋陽菜の根の善良さが隠しきれず、反対に記者(六角精児)らに手玉に取られている印象を与えた。
多少は同情できるキャラに設定変更されたNANAと比べ、麗子は韓国版のモ・ファラン(キム・ソンリョン)の憎々しさを残している。むしろ今は落ち目の歌手であることや過去の男性遍歴への悪評、健康面の不安などが描かれたファラン以上に、麗子は悪女になりきっている。日本ドラマで少なくなった突き抜けた悪人を描く韓国ドラマのシナリオにベテラン女優の演技力がマッチした。(林田力)

『美男ですね』第10話、因果がめぐる好脚本

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の第10話「最終話前編−衝撃の真実!!」が9月16日に放送された。「近づいては離れる」の繰り返しが恋愛ドラマの王道であるが、それを実践した今回は最終回直前の好脚本になった。
前回のラストで母親の水沢麗子(萬田久子)が自分を捨てる理由になった人物が桜庭美男(瀧本美織)の父親であったことを知った桂木廉(玉森裕太)は「お前の顔は見たくない」と言い放つ。しかし、この廉の言動は一方的であり、狭量である。美男の父親が麗子を誘惑するなど美男の父親側に責任があるとは決まっていないためである。
美男を悲しませる廉を見て、藤城柊(藤ヶ谷太輔)が再び美男にアプローチしたことも自然である。柊は韓国オリジナル版以上にダークな恋敵を演じたが、最後は廉を後押しする好漢になった。同じく恋敵の本郷勇気(八乙女光)も、廉の隠れた美点と、その美点が美男によって引き出されたことを認める応援者になった。A.N.JELLの絆の深さを示す心温まる展開である。
廉とNANA(小嶋陽菜)の関係にも決着がつき、スキャンダルを追うパパラッチ記者集団の問題も解決する。美男加入後のA.N.JELLのゴタゴタに不信感を抱く事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)の問題が残っているものの、最終回に向けて美男と廉のカップルの成否にストーリーが絞られた。
廉は美男を拒絶したものの、麗子から美男の母親の写真を受け取り、美子に渡す。「ずっと母親を待ち続けていた」という美男の気持ちを思っての行動である。独り善がりな善意の押しつけではなく、相手の気持ちを思う優しさがあってこそ恋愛ドラマの主人公にふさわしい。
しかし、それならば「お前の顔は見たくない」との発言は、あまりに短慮である。廉はドラマ序盤でも美男に対し、「絶対に許さない」とまで断言しておきながら、すぐに撤回する結果となった。その時その時の気持ちを正直に発言しているからドラマになるという見方も成り立つが、一貫性のなさは廉のカリスマ性を損ない、安っぽい人物にしてしまう。
その廉が自分から空港まで美男を迎えに行き、麗子の件を謝罪した。これは大きな進歩であったが、「相手と一緒にいると親のことを思い出してしまう」という廉が美男に言ったものと同じ言葉で拒絶されてしまう。自己の短慮が因果応報となった形である。この状況を廉がどのように立て直すのか、最終回から目が離せない。
(林田力)

『美男ですね』最終話、皆が善人で主人公を応援する日本的大団円

TBS系の金曜ドラマ『美男ですね』の最終話「運命の再会…最後の告白」が9月24日に放送された。アジア中で大ヒットした人気韓国ドラマの日本リメイク版であったが、最後は皆が善人になり、主人公カップルの恋を応援するという日本的な大団円になった。
桜庭美子(瀧本美織)と桂木廉(玉森裕太)の恋の行方が見どころであるが、前回のラストで美子が明確に拒絶し、互いに相手を思って遠慮するために、当人達だけでは解決不可能である。その代わりに藤城柊(藤ヶ谷太輔)と本郷勇気(八乙女光)が恋の応援団となって、廉にハッパをかける。
美子が美男の替え玉をしていたという真相を知った事務所社長の安藤弘(高嶋政伸)は強面に見えて美子に粋なエールを送る。身勝手な悪女・水沢麗子(萬田久子)も廉の心からのお願いで、あっさりと改心した。
これまでNANA(小嶋陽菜)に辛辣だった廉も最後はカッコいい言葉で励ます。それによって立ち直ったNANAは以前の悪女ぶりが嘘のように慈愛に満ちた表情で美子と廉を見つめる。小嶋陽菜がNANA役にキャスティングされた際は、ドラマの悪役イメージで本業のアイドルにも悪印象を与えてしまうのではないかとの余計な心配もなされたが、それを払拭する役どころで終わった。
クライマックスはライブの場での告白である。ライブそっちのけでの告白はスキャンダルであり、ライブを楽しみにしているファンへの裏切りにもなる。しかし、告白に事務所社長の安藤以下スタッフも喜び、出口(六角精児)らパパラッチ記者まで感動する。ファンまでが温かい反応をするという御都合主義になっている。
これは前クールの月9ドラマ『幸せになろうよ』と共通する。『幸せになろうよ』では香取慎吾演じる主人公が黒木メイサ演じるヒロインの勤務先に乱入し、告白する。告白が成立すると職場の同僚が拍手で祝う。
韓国ドラマが日本で人気になった一因として自我の強いキャラクターがぶつかる人間ドラマが、島国で同質性の強い日本人に新鮮であった面がある。これに対してリメイク版『美男ですね』は皆が主人公カップルの応援という同じ方向を向いた日本的なハッピーエンドとなった。
(林田力)

男装ドラマ対決の意外な伏兵、仲間由紀恵の『テンペスト』

夏クールのドラマの話題は男装対決である。夏クールは奇しくも主演女優が男性に扮する設定の作品が重なった。前田敦子主演の『花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011』(フジテレビ系)と瀧本美織主演の『美男ですね』(TBS系)が注目されるが、仲間由紀恵主演の『テンペスト』(NHK BS)が意外な伏兵である。
男装ドラマの見どころは、何と言っても女性の男装姿である。男装という通常では見られない格好をすることで、女優の新たな魅力を引き出すことができる。古くは歌舞伎の創始者の出雲の阿国が男装によって人気を博した。一方で現実の男性になりきり過ぎると逆に女優のイメージを落としてしまう危険がある。
この点で『花ざかりの君たちへ』の前田敦子は男子高校生に溶け込んでいるものの、ダウンタウンの浜田雅功に似ているとも指摘され、アイドルとしては微妙なところである。話が進むにつれて主人公は恋愛対象になるため、ボーイッシュな女性的魅力のアピールを期待する。
『美男ですね』の瀧本美織は、外見はイケメン姿が決まっている。しかし、男性のふりは外見だけで、中身は女性である。もともとイケメンに囲まれるドジっ娘の胸キュン・ラブストーリーというスタンスであり、男っぽさや男らしさは期待しにくそうである。
『テンペスト』は池上永一の同名小説が原作で、19世紀後半の琉球王国を舞台とした時代劇である。性を偽って王府の役人になる女性・真鶴(仲間由紀恵)が主人公である。頭脳明晰な少女・真鶴は宦官と称して王府に出仕し、薩摩や清国、欧米列強の間に揺れる琉球を救うために活躍する。
当時は現代以上にジェンダーが厳然と存在する社会で、女性が男性になりすますことの緊張感は現代以上である。女性が男性に扮するということは、自らの内にある女性性を抑圧することになる。これは『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』には弱い。
『花ざかりの君たちへ』の主人公は性格的には男子高校生そのものである。女性であることが露見しないかのドキドキ感はあるものの、無理して男性を演じる悲壮感はない。『美男ですね』の主人公は双子の兄の一時的な代役と割り切れる立場であり、内面的には女性的な思考を維持している。これに対して『テンペスト』の仲間は家や国のために男性に扮するという重たい覚悟を背負い、朝倉雅博(谷原章介)への恋心など内なる女性性との葛藤を抱える。
『花ざかりの君たちへ』や『美男ですね』では主演女優の男装以外にも、イケメンに囲まれる女性主人公という共通設定がある。この点で『テンペスト』は外れるが、清国の宦官・徐丁垓役でGACKTが登場する。この徐丁垓は琉球乗っ取りを企む悪役で、原作では性格異常者に描かれている。妖艶なGACKTが演じるヒールと自分を押し殺した優等生的な仲間の絡みにも注目である。
一般に琉球は平和的な王国であったが、薩摩藩によって侵略され、虐げられ続けたという固定的な歴史観がある。1993年のNHK大河ドラマ『琉球の風 DRAGON SPIRIT』が典型である。これに対して『テンペスト』では守旧派の頑迷さや王宮の権力闘争など琉球王国の醜い面も描く。その一方で、薩摩藩士に爽やかで良心的な人物を配置する。
米軍基地の大半を押し付けられているなど沖縄の現状を鑑みれば、大和に虐げられる沖縄という歴史認識は基本線として維持すべきものである。それでも琉球王国や薩摩について固定的な歴史観に捉われない作品が登場したことは、それだけ日本とは異なる独自の国家であった琉球王国の存在が当然の前提となった証拠である。(林田力)

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