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林田 力
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二子玉川東地区第一種市街地再開発事業問題

林田力「二子玉川東地区再開発・差止訴訟被告側証人尋問(1)」JANJAN 2008年1月16日

 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業の差し止めを求める訴訟(平成17年(ワ)第21428号)の第3回口頭弁論が東京地方裁判所で2007年11月10日に開催された。二子玉川東地区再開発事業は東京都世田谷区玉川の約11.2haの土地に超高層ビルの建設や道路の拡幅を行う。民間施行の再開発事業としては全国最大規模になる。

 これに対し、近隣住民らは事業者の二子玉川東地区市街地再開発組合(川邉義高・理事長)を被告として、都市再開発法違反などを理由として再開発事業の差し止めを求めて提訴した。具体的には都市再開発法第1条違反(公共の福祉に寄与しない再開発である)、第4条違反(都市計画公園の指定のあった場所を再開発する)などである。提訴の背景には超高層ビル群による景観の破壊、日照の阻害、ビル風、電波障害、交通量増加による大気汚染など、再開発による環境悪化への懸念がある。

 第3回口頭弁論では再開発事業のコーディネーターである宮原義明(株式会社アール・アイ・エー)の証人尋問が行われた。この度、証人尋問の速記録を入手したので、報告する。

 証人は再開発を進める側の人間であり、証言の基調は当然のことながら、再開発事業を擁護するものであった。しかし原告の問題意識に正面から回答していない回答も見られ、再開発により住環境に大きな影響を受ける住民と再開発を進める側の意識のギャップが浮かび上がった。

 速記録7ページには以下のやり取りがある。

被告代理人
 「原告らは、組合設立認可手続きについても違法であるというようなことを主張されてるんですけれども。例えば、都計審(記者注:東京都都市計画審議会)で75%の賛成があったと報告したのに、実は75%の賛成がなかったんではないかと」

証人
 「(前略)……再開発事業の都市計画決定に当たりましては、行政がその地域をどのように整備すべきかということの判断の下に都市計画を行うわけでございまして、地元権利者の方々の同意とか、それらは法律上の要件に全く入っておりません。その点では、75%うんぬんという問題については、その当時、そういう数字の中で動いていたかと思いますけれども、その数字そのものが具体的には都市計画の要件になっているわけではございませんで、あくまでも行政として必要な状況の中で都市計画を定めていくというのが都市再開発法、都市計画法の中での内容でございます」

 原告は、都市計画審議会で地権者の75%の賛成があったと実態と異なる説明をしたことを追及している。それに対し、証人は「都市計画を決定する上で地権者の同意割合は要件になっていない」と答えるが、これでは反論になっていない。肝心の事実と異なる報告をしたかについては回答から逃げている。都市計画審議会としては報告内容から都市計画決定の是非を判断する。もし報告内容に虚偽の情報があるならば、それに基づいた決定の正当性も揺らぐことになる。

 原告代理人の反対尋問では、証人が再開発計画の初期に、再開発を考える会(再開発組合の母体となった団体)と世田谷区の双方のコンサルタントとして活動していたことが明らかになった。この点について、原告代理人は「これは、真に行政から公共性の担保、機能チェックができない、お手盛りの体制じゃないですか」と指摘した。

 これに対し、証人は「私の立場は、その両者の意見、そしてそれらを調整しながら、そしてなおかつ都市計画としてふさわしいものを定めていくことのために意見をし、また作業する、そういう立場でございます」と説明した(速記録17-18ページ)。

 同一人が自治体と民間事業者の立場でコンサルティングすることにより、自治体による公のチェック機能が働かなくなるのではないかと指摘するのに対し、同一人の中で公の目的と民間としての事業採算性を調整すると宣言する。このような形で公共性が担保できるならば、三権分立を定める必要性も弁護士の双方代理を禁止する必要性もなくなる。

 尋問を通して浮かび上がるのは再開発コーディネーターである証人が実質的な問題点を把握しようとせず、形式的な説明で正当化してしまうスタンスでいることである。この点は尋問の最後の方で原告代理人も「今までの証人の御発言を聞いていますと、法を形式的には適用されてるようですけれども、本来の目的趣旨に沿った適用を導くということから言うと、大変問題だというふうに感じております」と述べている(速記録37ページ)。

 裁判の場では法律の条文に違反するか否かという形で争われるが、住民が裁判を起こす背後には住み慣れた街が悪くなるのは許せないという思いがある。そのような住民の思いは二子玉川東地区市街地再開発組合には通じそうにもない。逆に言えば、そのような形で再開発事業が進められてきたからこそ、住民側から裁判を起こされたともいえる。

 次回口頭弁論は、1月28日10時から東京地裁611号法廷で開催される。

「住民無視が見えた「二子玉川東地区再開発・差止訴訟」被告側証人尋問(2)」JANJAN 2008年1月17日

 前回の記事に引き続き、二子玉川東地区(東京・世田谷)第一種市街地再開発事業差止訴訟(平成17年(ワ)第21428号)の第3回口頭弁論における被告側証人・宮原義明(株式会社アール・アイ・エー)の証人尋問内容を報告する。原告代理人は再開発事業の違法性を追及するが、証人との意識のギャップが明らかになるばかりであった。

 原告側は二子玉川東地区再開発事業が都市再開発法第4条第2項に違反すると主張する。この条文は、公園などに関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合するように再開発事業に関する都市計画を定めなければならないとする。

 二子玉川の再開発区域の一部は風致地区であり、昭和32年には二子玉川公園として都市計画決定されていた。従って二子玉川で再開発事業を行う場合、これらの都市計画を前提としなければならない。
 
 ところが、東急電鉄株式会社・東急不動産株式会社と当時の世田谷区長・大場啓司の間で「二子玉川公園計画に関する協定」が締結され、それに沿って計画公園の予定地が変更され、その結果、現在の形の二子玉川東地区再開発事業が可能になった。原告は上記経緯から、東急グループの経済的利益のために公園予定地を変更し再開発を進めたとして、違法性を結論付ける。

 反対尋問では、区長が議会にも説明せずに私企業である東急電鉄・東急不動産と既存の都市計画に反する内容の協定を締結することの問題が追及された。速記録23ページには以下のやり取りがある。

 原告代理人「ここはまだ都市計画の決定までいってないわけですよ。いっていない以前の段階で、そういう恣意的な合意をしていいのかということです」

 証人「恣意的合意については当事者の議論ですから、特に問題ないと思います」

 街づくりに影響を与える問題が、行政担当者と私企業の合意で決められることが問題であると証人は感じていないことになる。再開発によって影響を受ける住民にとって到底容認できる発言ではないだろう。

 二子玉川東地区再開発事業が、超高層ビルの建設ありきで検討されたことも明らかになった。証人は二子玉川の再開発事業では中低層を想定した計画を検討したことはなかったと証言した。

「それは先ほど来(らい)ありますように、やはり足下のほうを、都市から自然へという、つなげるために、足下空間をできるだけ空けていこうと、そういう考え方がございましたから、その点では中低層で、べたっという考え方は当初から検討しておりません」(速記録24ページ)

 これはル・コルビジェ的な「Towers in Space」の発想である。建物を高層化すればオープンスペース(緑地を含む)が増え、都市の過密を下げられる、だから高層化は善という思想である。しかし、そのような形で作られるオープンスペースは、建物の上に緑を貼ったようなもので、まやかしに過ぎず、地域の社会関係を壊してしまうと批判されている。

2007年11月29日に開催された東京環境行政訴訟原告団協議会発足記念集会の場で、福川裕一・千葉大学教授は、この「Towers in Space」という思想こそが環境を守ろうとする人々にとって敵であり、これが日本の政財界では未だに大手を振っている点が問題であると指摘した。この点で、二子玉川再開発差止訴訟は二子玉川という地域に限らず、再開発の是非を巡る普遍的な論点を提供する裁判でもある。

期待と失望が協議会結成の背景
東京環境行政訴訟原告団協議会・発足記念集会の報告

 原告代理人は代案を含めて議論するのが民主的ではないかと主張したが、証人は二子玉川のコンセプトは高層と言い張った。
 原告代理人「普通は超高層を選択することの問題点も当然出てくるわけですから、それ以外の設計内容等を併せて、代案を含めて議論するのが民主的な議論じゃないですか」
 証人「いや、民主的という話はちょっと、今の話の中ではどうか分からないんですが、先ほど来申し上げましたように、この二子玉川でのコンセプトとしては、当然、足回りについてそういう空間を広げていこうという考え方になります」(速記録25ページ)。

 二子玉川東地区再開発が高層化ありきで進められ、様々な選択肢を検討する姿勢がないことが良く分かる。二子玉川のコンセプトを高層化とする発想は、住宅地・ベットタウンと思っている住民からは出て来ないものである。

 二子玉川東地区再開発による洪水被害の悪化も指摘された。二子玉川駅の南側を南東方向に多摩川が流れている。多摩川の北側は基本的に多摩川に近い場所ほど土地の高さは低くなっている。雨が降れば土地の高いところから低いところに雨水が流れ、多摩川に注がれる。

 ところが、二子玉川東地区再開発は人工的に最大7メートルの盛り土をして、地盤をかさ上げする計画である。これが実現してしまうと、再開発地域の北側の住宅街にたまった雨水は再開発地域で堰き止められ、深刻な洪水被害となる可能性がある。

 この指摘に対し、証人は以下のように答えた(速記録30ページ)。
「もともと、そこに流れ込んでいたということ自身が、それぞれの敷地としては、当然敷地の中で単独で整備することだと思いますから、それを前提としてのお話は少しおかしなことと思いますね」。
 再開発の結果、周辺住民が洪水被害で苦しむことになっても構わない、という主張である。

 再開発事業の一体性も問題になった。都市再開発法や都市計画法では、一体的かつ総合的な再開発が重要な要件になっている。ところが、二子多摩川東地区再開発事業では再開発地域の中心部に位置するII-a街区は具体的な事業内容が決まっていない。

 これに対する証人の反論は以下である。
「私自身が、昭和57年から25年間、今やっておりますように、これ自身を一体的と考えていただければ、一体的というものの範疇がお分かりいただけるかと思いますね」(速記録32ページ)。

 これは噴飯物の珍回答である。再開発コーディネーターが四半世紀、四半世紀も再開発事業に取り組んでいながら具体案が練られていない点こそ、二子玉川が一体的に再開発する場所としてそぐわないことを示していると思われる。

 再開発事業の進め方も問題になった。最初に、原告代理人は再開発組合が権利変換計画を多数決で議決したことを問題視する。権利変換計画は、再開発地域の地権者の権利を再開発建物およびその敷地に関する権利等へ変換する内容を定めた計画である。

 権利変換計画では、再開発建物の敷地には建物の所有を目的とする地上権を設定するものとして定めることが原則である(都市再開発法第75条第2項)。但し、これが「適当でないと認められる特別の事情があるときは」地上権を設定しなくても良いとも定められている(同法第111条)。

 二子玉川東地区再開発組合は、この111条を採用するか否かということを多数決で決めている。これに対し、原告代理人は「本来、地権者は、自分の大事な権利が建物の中の床の返還されるわけですから全員同意して、納得して返還されるのが望ましい」と述べる(速記録33ページ)。しかも、総会では地上権の設定や設定しないことの意味について説明せずに議決している。

 加えて権利返還計画の公告縦覧では地権者本人のもののみを閲覧し、他の人の分を閲覧しないように申し合わせ事項を議決した。これは、権利変換計画を2週間、公衆の縦覧に供することを定めた都市再開発法第83条違反と原告代理人は指摘した。これについて証人は、以下のように答えた。

「申し合わせ事項とします、ただし、どうしても見たい場合には、法律の趣旨から見て、全員が見られますということも全部述べてます」(速記録34ページ)。これに対し、原告代理人は萎縮効果を生じさせ、法の趣旨に反すると再反論した。しかも、再開発組合が本当に縦覧したかも疑わしい。

 日本共産党世田谷区議団が2006年11月21日に世田谷区長に宛てた申し入れでは、再開発組合が閲覧希望者に対し、閲覧を拒否しているとする。「実際の公告・縦覧は、一般の区民が縦覧しようとする」と「組合総会で申し合わせをしているので、地権者以外の方の縦覧はご遠慮願いたい」、「組合理事長と協議し、縦覧できるかどうか返答する」などと、閲覧が拒否されてしまいます。

 また地権者も、本人の部分しか見ることができず、本人の財産評価が他の地権者と比較して妥当な評価を受けているかどうか、比較・検討できないなど、地権者の権利保障としても、適切な条件での縦覧とはいえません」。

「二子玉川東地区再開発権利変換計画の「公告縦覧」に関わる申し入れ」

 再開発組合の総会(2006年12月26日)で事業計画が大幅に変更された点も問題視された。変更により、建築面積が5.3パーセント、住居施設が94戸(約10パーセント)も増加した。事業計画を変更する場合、都道府県知事の認可を受けなければならないと定めた都市再開発法第38条第1項が問題となる。

 これに対し、証人は、東京都の関心は権利返還計画と事業計画の一致にあり、権利返還計画の認可申請をしていない段階で事業計画の変更認可申請をするのは技術的に困難と答えた。また、総会決議による変更は周辺住民にも大きな影響を与えるが、周辺住民に告知し、意見を受け付ける機会を設けていなかった。

 これについて証人は、法令では軽微な変更について義務付けていないから不要と答えた。原告代理人は「再開発組合、若しくは、速やかに事業を進めるコーディネーターとしてのお立場として、当然こういうご説明の機会はあってしかるべきではなかったか」と追及した。

 証人尋問は以下のやり取りで終わっている。
 原告代理人「過ちを正すに遅すぎるということはないのではないでしょうか」
 証人「過ちという御指摘そのものが全く違うかと思ってますので」

 全体を通して感じられるのは、再開発コーディネーターとして再開発を中心的に進める立場の人が、住民の目線を持っていないということである。こうした状況では、住民の思いが無視された街づくりになってしまうのは、ある意味、当然と言える。

 そのような住民不在の再開発に膨大な税金が投入される矛盾。住民は恩恵を受けず、不動産業者や建設会社が儲ける構図。各地の再開発で抱える問題と同根の問題が今回の証人尋問で炙り出された、と言える。

 次回口頭弁論は、1月28日10時から東京地裁611号法廷で開催される。

林田力「二子玉川東地区再開発・見直しを求める集い」JANJAN 2008年1月20日

 「にこたまの環境を守る会」(野崎宏会長)主催で「わたしたちのまち二子玉川を守る集い」が1月14日、二子玉川地区会館(世田谷区)で開催された。二子玉川東地区第一種市街地再開発事業(以下、二子玉川東地区再開発)による住環境悪化に対する住民らの懸念の高さが浮かび上がった。(関連サイト:二子玉川東地区 再開発を考える会

 守る会は二子玉川東地区再開発の見直しを求めて活動している団体である。二子玉川東地区再開発では東京都世田谷区玉川の土地に超高層ビルの建設や道路の拡幅を計画する。

 守る会が再開発に反対する主な理由は、以下の通りである。

 ・再開発により、環境が破壊される。具体的には超高層ビル群による景観破壊、日照阻害、風害、電波障害、交通量増大による大気汚染などである。

 ・事業予定地の85%以上を東急電鉄、東急不動産らの東急グループが所有しており、開発目的に公共性が全くない。

 ・地権者や住民に十分な説明もなく世田谷区と東急グループ中心に進められている。

 ・東急の利益中心の開発関連事業に約10年間で700億円もの税金が投入される。一方で世田谷区では保育園、幼稚園の保育料値上げ、各種施設使用料値上げなど、区民の負担増加が見込まれている。

 「集い」の正式タイトルは「今からでも遅くない、この再開発はやめ、やり直そう、わたしたちのまち二子玉川を守る集い」である。守る会メンバーが事前にチラシ配布や電子メールで参加を呼びかけていた。参加者の中には個人的立場と断りを入れつつ、世田谷区議会議員もいた。

 「集い」は大きく3部のパートに分かれた。最初に主催者側からの説明、次に参加者から再開発事業で困ったことについて意見聴取、最後に再開発事業を見直させるためのアクションについて議論した。

 主催者側の説明では、冒頭で野崎会長が挨拶した。「長年、東急沿線に住み、東急ファンだった。しかし、住民のことを考えず、利益優先で再開発を進める東急の姿を見て、現在は東急不安になっている」と冗談を交えて語り、会場の笑いを誘った。

 再開発事業の問題点説明では「市民政策を実現する会・せたがや」の成田康裕氏が中心となった。成田氏は東急大井町線等々力駅の地下化への反対運動を進めた人物である。本来はパワーポイントで作成した資料をプロジェクタで映す予定であったが、機械の調子が悪いとのことで、急遽、紙で配布した資料で説明することになった。主な説明内容は以下の通りである。

 ・住宅地で100mを越える超高層ビルが複数棟も建てられる例はない。

 ・超高層ビルによる不快な圧迫感は形態率という客観的な数値によって実証されている。これは東京都環境影響評価条例に基づく東京都環境影響評価技術指針でも採用されている基準である。圧迫感は主観的な問題にとどまらない。

 ・超高層ビルが建てられればデジタル放送でも電波障害は発生する。顔が二重に映る。

 ・再開発予定地周辺は高さ制限が課せられているが、再開発予定地には高さ制限がない。お互い様ではなく、周辺住民が一方的に迷惑を被る再開発である。

 ・過去に丸子川の洪水で床上浸水になったことが複数回あるが、再開発で盛土を行うため、多摩川へ雨水が流れていかず、周辺地域の浸水被害が拡大する危険がある。

 特に最後の浸水被害の問題は深刻である。高層ビル建設による景観破壊や交通量増加による大気汚染は容易に推測がつくが、再開発によって浸水被害が増大するという点は説明されなければ気付かない問題である。

 続いて再開発で困っていることについて、参加者の意見を徴収した。様々な意見が出された。主な意見は以下の通りである。

 「今の景観が気に入っている。再開発ビルが建つようであったら、引越ししたい」

 「バス停の前のケヤキが全て伐採されたのがショックであった。再開発によって自然が失われてしまう」

 「再開発地域で盛り土をするため、家の上を道路が通る形になる。排気ガスが心配」

 「世田谷区は何故、再開発組合の言いなりになっているのか」

 「税金によって地域住民を追い出し、税金によってビルを建て、公害を撒き散らす」

 「後世に残す財産がコンクリートの建物だけというのは貧しい」

 「超高層マンションでは住民間の確執が生まれるのではないか。地域住民としての一体感は生まれないのではないか」

 「再開発組合主催の説明会に出席したが、腹が立って仕方がない。ガス抜きのための説明会であって、住民の意見を聞こうという姿勢は皆無である」

 最後に「どうすれば再開発を止められるか」というテーマで議論された。まず成田氏が「必ず止められる。今からでも決して遅くはない」と力説した。既に一部で工事が始まっているが、それらは東急の息のかかった場所である。工事着手の既成事実で住民に諦めさせるのが再開発組合側の狙いである。等々力駅地下化工事を止めさせる運動の中心になった成田氏の発言だけに説得力があった。

 会場からは成田氏に同調して、「今からでも止められるという点をもっと強調すべき」との声が出された。チラシには「今からでも遅くない、この再開発はやめ、やり直そう」と書いてあるが、もっと大きく目立つように書いた方が良いとの意見が出された。

 別の意見として、「東急ストア・プレッセや東急百貨店での買い物をしない」というものもあった。再開発を実質的に進めているのは東急グループであり、彼らは経済的利益になると判断しているから進めている。従って近隣住民から反発を受ければ経済的損失が生じることを分からせなければならないという意見である。

 一方で「電車に乗らない訳にはいかない」ため、不買運動の限界も指摘された。東急電鉄の基幹事業である鉄道事業は地域独占の公益事業という性格を持つ。本来、公共性の高い企業が周辺住民の声を聞かず、反対されている再開発を進めようとしているところに問題があるとの意見が出された。

 主催者側からは、二子玉川東地区再開発を巡り、現在2件の訴訟が東京地方裁判所に係属していることが説明された。

 ・再開発組合に対し、再開発事業の差し止めを求める民事訴訟(平成17年(ワ)第21428号再開発事業差止等請求事件)

 ・世田谷区に対し、再開発事業への公金支出の差し止めを求める住民訴訟(平成19年(行ウ)第160号公金支出差止請求事件)

 野崎会長は「人によっては『裁判までは……』という意見もあるが、裁判から逃げていたら絶対に解決しない」と語る。住民側が裁判まではしてこないと分かれば、事業者側も恐れることなく事業を進め、当然得られるべき譲歩さえ得られなくなるのが実情である。2回目の集いは、2月8日の18時から二子玉川地区会館で開催される予定である。その場で、より具体的な対策を考えていくことが確認された。

 今回の「集い」の良かったところは、第1に出席者の意見を広く聞き、議論する姿勢があったことである。この種の運動では中心的に活動している人と、そうでない人とでは知識の差が生じる。そのため、新参の人の発言が古参の人には分かりきっていることも少なくなく、頭ごなし否定したり、一方的な説明が延々と続いたりということになりがちである。今回の集会では主催者側がすぐに回答を全て説明してしまうのではなく、対話の中で答えを出していく姿勢であった。

 第2に、時間配分を適切に行っていたことである。この種の集会では発表者が夢中になって予定時間以上の時間を費やし、最後は時間切れになることが多い。再開発で困る点について参加者から活発な意見が出されたが、最後の30分間は「再開発を止めるための手立て」を議論する時間として確保した。これら進め方については同種の集会を主催する人々にとって参考になると考える。

 参加者からの発言主体の主体では議論の発散や脱線が起こりがちであるが、「集い」では、それほどでもなかった。これは司会の巧みさに加え、少なからぬ参加者間でも集約できるほど、二子玉川東地区再開発は問題点が明確化しやすいことを意味していると考える。

林田力「二子玉川東地区再開発差止訴訟結審」オーマイニュース2008年2月15日

反対運動の広がりが裁判にも波及 5月12日に判決

 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業の差し止めを求める訴訟(山田俊雄裁判長)が、2008年1月28日の東京地裁における口頭弁論で結審した。

 二子玉川東地区再開発事業は、東京都世田谷区玉川の約11ヘクタールの土地に超高層ビルを建設し、道路を拡幅する事業である。これに対し、計画地周辺住民が再開発事業の施行者である二子玉川東地区市街地再開発組合(川邉義高理事長)を相手に、都市再開発法違反などを理由に再開発事業の差し止めを求めて提訴していた。

 再開発は様々な行政手続きを経るもので、個々の行政手続きに違法性がある場合、行政訴訟として争われる。しかし、本訴訟では再開発事業そのものを住民の権利侵害と位置付け、事業者を被告として再開発の差し止めを求める点で、住民にとって直接的である。

 口頭弁論では、原告から提出された多数の住民による意見陳述書と本件訴訟の証人尋問についての市民メディア記事が論議された。

 この時点で、大勢の住民が陳述書を書いたということは、再開発反対の声が地域に浸透していることを示している。また、証人尋問が、市民メディアに取り上げられたことも二子玉川東地区再開発事業に対する関心の高まりを示している。反対運動の広がりが、法廷内にも波及したことを象徴する口頭弁論であった。

 口頭弁論は、以下の流れで進行した。

 ◇ 原告代理人による準備書面の陳述

 ◇ 原告の意見陳述

 ◇ 原告代理人の意見陳述

 ◇ 被告代理人による準備書面の陳述

 ◇ 裁判官3名による合議

 ◇ 証拠(甲第183号証拠〜甲第224号証)の採否の決定

 ◇ 判決言い渡し期日の発表

 事前に原告側は「最終準備書面」及び書証(甲第183号証拠〜甲第224号証)、被告側は「準備書面(8)」及び「準備書面(9)」を提出していた。

 原告・被告双方の代理人による準備書面の陳述は、単に準備書面を陳述する旨の発言をするだけである。準備書面の内容を、読み上げる訳ではない。これによって、準備書面に書いてある内容を、法廷で主張したことにするという扱いになっている。

 このため傍聴者には、何が論じられているのか、全く理解できない。「口頭」弁論と言いつつ、書面の交換に過ぎず、形骸化していると指摘される所以である。

 原告の意見陳述では、原告の1人である女性が裁判官の前で意見陳述した。意見陳述では、再開発が住民に周知されずに進められることの理不尽を語った。

 「緑が豊かで環境が良いから二子玉川に住み続けているが、最近まで再開発があること自体、知らなかった」

という。

 東急不動産から、分譲マンションを購入した知人は「便利なショッピングセンターができる」との説明を受けたが、超高層ビルが建設されることは説明されなかったと語り、「裏切られた気持ちだ」と聞かされた。住民に隠して進められる再開発の実態を語った。

 続いて自動車交通量の増大による大気汚染など、再開発による被害について陳述した。

  「この場所から引っ越したい」と鬱屈する住民もいるという。再開発組合には、住民への配慮は全くないとする。最後に「司法を信頼しています。正しい判決を宜しくお願いします」と述べ、意見陳述を結んだ。

 原告代理人の意見陳述は、原告の主張のまとめと被告準備書面(9)への反論から構成される。

 まず、主張をまとめると、原告代理人は、この裁判において、二子玉川再開発事業による被害が、生命身体の安全を脅かし、生活の基盤である街そのものを破壊する深刻なものであると、立証できた、というものになる。その上で、一部で工事が開始されたことにより、再開発事業による被害が現在進行形で現実化していると述べる。

 そして、再開発事業差し止めへの期待が原告64名の枠を越え、住民全体、世田谷区全体に急速に広がっているとして、1日も早い司法の公正な判断を求めた。

 「被告準備書面(9)」への反論は、準備書面記載の2つの論点に反論した。

 第1に、時機に後れた攻撃防御方法(「後れた」は法律の条文の用語をそのまま使用)についてである。被告は、原告が今回の口頭弁論の1週間前に提出した書証(甲第183号証拠〜甲第224号証)は、時機に後れた攻撃防御方法として、却下すべきと主張する。

 これは民事訴訟法第157条第1項に基づく主張である。第157条第1項は、以下のように定める。

 「当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる」

 これに対し、原告代理人は、再開発事業の工事着工により、被害が拡大していると主張した。過去に起きた事件ではなく、現在進行中の問題であり、進行中の違法性を立証する証拠を提出することは、時機に後れたものではないと反論した。

 第2に、訴訟記録の流用批判への反論である。2007年11月10日の第3回口頭弁論では、被告が申請した証人として、再開発事業のコーディネーターを務める宮原義明(株式会社アール・アイ・エー代表取締役専務)の証人尋問を実施した。

 被告は、この証人尋問についての記事が、市民メディアに掲載されたことを問題視する。問題の記事は、以下である。

 林田力「二子玉川東地区再開発・差止訴訟被告側証人尋問(1)」

 林田力「住民無視が見えた「二子玉川東地区再開発・差止訴訟」被告側証尋問(2)」 

 被告が問題視したのは、上記記事で訴訟記録(証人尋問速記録)を引用している点である。民事訴訟法第91条第3項は以下のように定める。


 「当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、訴訟記録の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は訴訟に関する事項の証明書の交付を請求することができる。」

 これは、訴訟記録を謄写できる人の要件について定めた条文であるが、被告の論理は、利害関係のない第三者が訴訟記録の謄写を請求できないことをもって、訴訟記録が第三者に公表されることを予定していないと飛躍する。

 その結果、訴訟記録をインターネット記事に引用することは法の趣旨から妥当ではないと主張し、遺憾の意を表明した。

 これに対し、原告代理人は、以下のように反論した。

 「原告以外のジャーナリストが強い興味を抱き、裁判について自己の意見を堂々と記名記事で発表することは、裁判の公開の原則(憲法第82条)から何ら問題がない。

 報道の要請に対し、訴訟資料を提供することはいくらでもある。むしろ被告側証人の証言が広くジャーナリズムの批判に耐えられないことは再開発の問題を示している、と。

 被告が、準備書面において、市民メディアへの記事掲載を取り上げて、非難したことには驚かされた。被告が、準備書面で取り上げたということは、市民メディアの記事を、チェックしているということを意味する。市民メディアの影響力を示す事象である。

 一方、被告が準備書面で、批判することは理解に苦しむ。準備書面は、口頭弁論での主張の準備のために、自己の主張や相手方に対する反論をまとめた文書である。被告の立場では、原告の請求を棄却または却下するための主張を書かなければならない。

 ところが、被告準備書面での記事批判は、原告の請求を否定するための論拠を書いた訳ではなく、遺憾の意を表明しているに過ぎない。準備書面に書くべき内容ではないことを、準備書面の場を借りて主張することは、目的を逸脱した裁判制度の悪用である。

 加えて被告は、記事が証人の会社名を明らかにしたことを非難するが、宮原証人は被告が申請した唯一の証人である。

 本来ならば、被告内の責任ある立場の人間が立証するのが基本だが、古くから再開発事業に携わり、最も状況を知っている立場であるため証人申請されたという。

 被告本人尋問に代替する位置付けであり、証人の所属、被告との関係に関心が向かうのは当然である。

 また、証人が代表取締役専務になっている株式会社アール・アイ・エー(東京都港区)は、再開発事業で建設される高層ビルの設計も受注している。

 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業V街区

 【東京】二子玉川東地区再開発がスタート(2/21)

 証人尋問では、証人が再開発コーディネーターとして再開発の企画段階において、主要な役割を果たしたことが明らかになった。

 発注者(再開発組合)や行政(世田谷区)のコンサルタントとして活動した人物が代表取締役となっている企業が、一方で発注者が建てる建物の設計を受託する。二子玉川東地区再開発を論じる上で、アール・アイ・エーに関心が向かうのは当然の成り行きである。だからこそ、被告は社名の公表を問題視したとも考えられる。

 被告代理人からは、準備書面を陳述するとの発言のみで、特に主張はなされなかった。

 裁判官は別室に退席し、合議を行った結果、原告が提出した証拠のうち、被害の客観的な状況を証明するものを採用し、他を却下すると決定した。却下された主な証拠は、近隣住民らの意見陳述書である。

 これに対し、原告代理人は工事が着工され、周辺住民の怒りが現実化したために、この時期の証拠提出となったもので、証拠として採用しないのは不当と反論した。

 しかし、山田裁判長は現在進行中の問題であるとの原告側主張を踏まえた上で、「最近の事情については採用する」と譲らなかった。

 原告代理人は、個々の証拠としては採用しなくても、工事着工によって被害が激化し、周辺住民の反対が盛り上がっている状況については弁論で述べたとおりであり、これを踏まえた判決を求めた。

 原告が提出した証拠の一部が、被告による「時機に後れた攻撃防御方法」との主張を容れられて却下されたことは、原告住民らに、やり切れない思いを残したものと思われる。却下された証拠の大半は、再開発で受ける被害や再開発に反対する理由を綴った住民の陳述書である。

 これまで被告は、「反対住民は、地域住民の一部である」旨の主張を繰り返してきた。それに対する反論として原告は、多数の住民の陳述書を証拠として提出した。原告としては、被告の問題意識に正面から向き合い、誠実に応じるための証拠提出である。

 ところが被告は、正面から反論しようとせず、民事訴訟法の規定を持ち出して、却下を求めた。民事訴訟法が、時機に後れた攻撃防御方法の却下を定めたことは、時間稼ぎを抑制するために必要なことではある。しかし、今回の証拠提出の経緯を踏まえるならば、被告が証拠却下の申立てをしたことは公正な態度とは思えない。

 原告ら住民は一方的に説明し、理解を要求するだけで、住民の声には耳を傾けようとしない再開発の進め方に対して、強い憤りを抱いている。それが、裁判を続ける原動力になった面もあるだろう。ところが再開発組合は、裁判においても住民と正面とは向き合おうとしていないように感じられる。原告らの怒りや失望は、大きいだろう。

 多くの民事訴訟では、代理人が予め提出した準備書面を陳述すると、発言するだけで終わってしまう。法廷ドラマやジョン・グリシャムの小説のような緊迫したやり取りを期待すると失望することになる。

 しかし、この裁判において原告側は意見陳述を多用することで、その主張を明確に説明した。とりわけ一般の住民である原告本人の意見陳述は、実際に被害を受ける当人の言葉であり、迫力があった。このような形での口頭弁論が増えれば、市民の司法への関心も高まるのではないかと思われる。

 口頭弁論は山田裁判長が結審を宣言し、判決言い渡し期日を発表して終わった。判決は5月12日13時10分から東京地裁611号法廷で言い渡される。

 この裁判は、内容面(再開発への差し止め)でも、手続き面(意見陳述の多用)でもユニークである。判決の内容が注目される。

林田力「反対運動には自発的な行動が重要」オーマイニュース2008年2月25日

「にこたまの環境を守る会」が集会

 「にこたまの環境を守る会 公正な判決を求める原告・支援者の集会」が23日、東京都世田谷区の上野毛地区会館で開かれた。同会会員を中心に約50人が参加。二子玉川東地区再開発事業の見直しを求める活動の状況を報告しあった。組織に依存するのではなく、住民が自発的に行動する点が印象的であった。

 同会は二子玉川周辺の住民を中心に結成され、住環境を破壊する二子玉川東地区再開発事業の見直しを求めて活動中である。同会にとって、現在は一つの節目に当たる時期である。会員ら周辺住民が原告となって、二子玉川東地区市街地再開発組合(川邉義高理事長)を相手に再開発事業の差し止めを求めた訴訟が1月28日に結審したばかりだからだ(記事「二子玉川東地区再開発差止訴訟結審」参照)。

 訴訟手続きの点では、あとは5月12日の判決を待つだけという状況である。

 しかし、「座して待つ」だけとしないところが同会の素晴らしい点だ。会は、現在は二子玉川東地区再開発事業の中止を求めているが、会の目的は「参集する住民の総意で『新たなまちづくりの夢』を語り合い推進すること」(会則第2条)。

 判決が出されて終わりではなく、現在の再開発計画の問題・違法性を多くの人々に周知し、地域全体に運動の和を広げ、住民主体のまちづくりを目指す。今回の集会は、そのために各自の活動を報告しあい、お互いに取り組めることを確認しあう場であった。

  最初に野崎宏会長があいさつした。結審は1つの通過点だという。自分たちが既成概念にはまってしまっては駄目である、民意を強め、なすべきことをなしていきたい――と。

 続いて再開発差し止め訴訟で代理人を務める渕脇みどり弁護士と吉田悌一郎弁護士が「私たちの闘いを振り返り、今後の展望を切り開くために」と題して話した。

 渕脇弁護士は、裁判では怒りの対象の具体化を目指したと語る。裁判の過程で真実を明らかにしていくことで、何が問題で何が行われているのかが明確になり、怒りの対象が具体化する。怒りはパワーの源であり、同じ怒りを共有する人々の連帯は一層大きな力になる、と。

 吉田弁護士は薬害肝炎訴訟の原告の例を出しながら、「辛い時こそ頑張り時」と強調した。血液製剤「フィブリノゲン」などを投与され、C型肝炎ウイルスに感染させられた患者らが国と製造元の製薬会社などに損害賠償を求めた裁判である。

 吉田弁護士は、「原告にとって、大阪高裁の和解骨子案を拒否したときが一番辛かったはず」と語る。

 和解骨子案を受け入れれば自分たち原告には和解金が入るが、同じ被害者でも救済されない人々も出てしまう。だが拒否すれば、自分たちも救済されずに終わってしまう可能性もあった。それでも原告側は被害者全員の一律救済との原則論を貫き通し、それが世論を動かし、政治決着となった。そこに至ったのは地道な活動の積み重ねがある――と。

 弁護士らの話に続いて、住民から活発な活動報告がなされた。各住民が自発的に行動していることは注目すべき点である。

 報告された内容は以下の通りである。

 (1)再開発により、洪水時の周辺地域の浸水被害が悪化しないという具体的な根拠の説明を区に要求し、回答待ちの状況。再開発地域は人工地盤で数メートルの盛り土を行う計画だという。再開発地域で雨水がせき止められ、洪水被害が起きやすくなることが懸念される。

 (2)会員自身の建設会社での業務経験と、再開発で建設されるマンションの施工会社の工事所長に直接確認した結果から、盛り土の人工地盤が想像以上に高くなると推測される。再開発を推進する側はあいまいな説明しかせず、住民に真実を知らせないようにしている。

 (3)世田谷区議会議員に再開発関連予算の見直しを求めるべく働きかけている。活動を始めたころに比べると、再開発に反対する議員が数倍に増えた。

 (4)自分の住む地域で再開発見直しを求める署名活動を始め、世田谷区議会に提出した。

 報告された住民の活動は、会執行部が指示した結果ではなく、住民それぞれが自発的に動いたものだ。二子玉川東地区再開発事業の見直しを求める運動は決して特定の反対運動家だけが行っている訳ではないことがポイントである。

 反対運動にとって組織化は力であるが、反面、組織への依存心も生じやすい。一般のメンバーは「自分がやる」ではなく、「組織がやってくれる」という意識になってしまいがちだ。その結果、活動しているのは役員だけとなってしまう危険性がある。

 たとえば、最初の洪水被害が悪化しないことの根拠説明要求では、周辺住民としては関心事であっても、自分で直接、区に問い合わせるのは気が引ける、という人も少なくないだろう。

 その結果、自分で問い合わせることよりも、会執行部に「会として区に問い合わせて欲しい」と要望しようと考える人も出てくると思われる。

 これを一概に否定するつもりはない。個人ではまともに取り合ってくれなくても、組織の代表者名で問い合わせればそれなりの回答がもらえる場合もある。

 しかし、そのような形にしたら組織の役員に負荷がかかってしまうことも事実である。

 もう1つ、役員のみが活動するという状況は組織にとって不健全である。積極的に活動する役員が何らかの理由で活動を止めてしまえば、全体の活動が止まってしまう。「うるさいのは役員だけ」という誤った印象を開発側に与えてしまう可能性もある。開発側の切り崩し工作によって、役員が地域から孤立してしまう恐れさえある。

 この意味で、守る会は反対運動組織として強い。組織に依存するのではなく、メンバーが自立的に行動している。これには、守る会が「二子玉川東地区再開発を考える会」、「駒沢通りの環境を守る会」、富士見台や上野毛の住民有志など、さまざまなグループから構成される連合型組織として発足した経緯も影響している面もある。何よりメンバー1人ひとりの意識が高い。

 活発な活動報告に対しては、江東区東陽町から集会に参加した「スカパー巨大アンテナに反対する住民の会」の門川淑子代表も感心していた。「スカパー〜」は電磁波から近隣住民の健康・安全を守るため、株式会社スカイ・パーフェクト・コミュニケーションズが東陽町に建設するパラボラアンテナに反対している。

 しかし、反対運動を進める上で住民の組織化に苦労している面もあり、今回の集会は大いに励みになったと語った。

 最後に二子玉川東地区再開発中止を求める決議文を読み上げて、集会を終えた。

 決議文では再開発反対の理由を大きく3点にまとめた。

 第1に再開発の内容である。再開発は住環境・自然環境を破壊する。

 第2に再開発の進め方である。再開発地域の最大の地権者である東急グループ主導で進められ、住民は蚊帳(かや)の外に置かれている。たとえば用途地域が変更され、公園になるべき土地に高層ビルが建てられるようになり、東急グループに莫大な利益をもたらすことになる。

 第3に税金の無駄づかいである。世田谷区が財政難・受益者負担と称し、区民の負担を増やすならば、再開発事業への公金投入を先ず止めるべきである。

林田力「二子玉川東地区再開発差止訴訟は原告敗訴」オーマイニュース2008年5月15日

住民の不利益を認定したものの、差し止めは棄却

 二子玉川東地区第一種市街地再開発事業の差し止めを求める訴訟(山田俊雄裁判長)の判決が2008年5月12日東京地方裁判所にて言い渡された。

 東京都世田谷区玉川の約11ヘクタールの土地に超高層ビルなどを建設する再開発事業の差し止めを求めて、周辺住民ら64名が二子玉川東地区市街地再開発組合を提訴した裁判である。

 山田裁判長は主文で「原告らの請求をいずれも棄却する」とし、原告敗訴の判決を言い渡した。

 原告住民側は判決を不服として控訴を検討すると表明した。

 判決が言い渡された東京地裁611号法廷には原告ら地域住民が多数詰め掛け、傍聴席をほぼ満席状態にした。多くの住民が廷内に入れるよう、書記官の配慮で原告席にいすが追加されたほどであった。事前に取材申請がなされたため、判決言い渡し前にはメディアにより法廷内の撮影が行われた。

 一方、判決言い渡しは主文のみで理由の朗読はなされなかった。そのため、言い渡しは、あっという間に終わった。撮影時間の方が長かったほどである。

 二子玉川東地区東地区再開発の問題が社会の関心を集め、その波が裁判所にまで押し寄せている一方で、裁判官のやり方には変化がないことを象徴しているようにも思えた。

 判決は二子玉川東地区再開発事業により、眺望の破壊や圧迫感などの不利益が生じると認定した。

 しかし、社会生活上の受忍限度を超えるものではない、として、差し止め請求を否定した。また、二子玉川東地区再開発事業が都市再開発法などに違反しているとの主張については、原告らの権利や法的利益の侵害の主張ではないとして、法違反の有無を判断せずに退けた。

原告側は記者会見で怒りを表明

 判決後、原告および原告代理人弁護士による記者会見が第二東京弁護士会1002号室および司法記者クラブにて行われた。

 原告主任代理人の渕脇みどり弁護士は

 「原告の主張を理解していない、大変不当な判決」と述べた。民事訴訟で再開発差し止めを求めたことについては「東急グループの利潤追求のための再開発であることが明確であったため、再開発の責任主体である再開発組合を提訴した」

と説明した。

 渕脇弁護士によると、大地権者である大企業が再開発組合を牛耳り、中小地権者を事実上追い出してしまうという、大企業本位の再開発の問題がほかでも起きているという。その典型的な事案として二子玉川東地区再開発事業の差し止めを求める意義は大きいとする。

 原告の飯岡氏は

 「判決文で一番腹が立ったのは、都市再開発法などの違法性について追求していたにもかかわらず、内容を判断せずにわずか3行でバッサリと切られてしまったこと」

と述べた。加えて

 「判決では再開発の問題について細かく分け、個別に判断を加えているが、原告は総合的な問題と主張している。判決には、その点の考慮がない」

と批判する。

 「東急グループは沿線の住宅を優良住宅地として分譲してきた。その東急が地域住民の犠牲の上に街壊しをしている。だから東急が主体の再開発組合を訴えた。再開発をめぐるトラブルで心の病気になった住民もいる。街壊しは景観を破壊するだけでなく、人も壊してしまう。控訴して戦い続けたい」

 原告の野崎氏は

 「二子玉川東地区再開発は街づくりの計画ではない」

と断言した。また、

 「東急がビルと床をつくって売り逃げする計画である。現地を見れば誰も良いプロジェクトとは思わないだろう」

と主張した。

 原告の辻氏は

 「とても怒りを感じる。再開発地域の85%が私企業である東急グループの所有地であるのに、どうして公共の利益をもたらすものができるのか。700億円の公金を支出するのか」

と問題提起した。そして国分寺崖線(がいせん)と多摩川の間の狭い土地に高層ビルを建設する危険性を訴えた。

判決では住民の不利益を認定

 本判決では差し止めは否定したものの、二子玉川東地区再開発事業によって、原告住民に不利益が生じることを認定した。

 判決が差し止めを否定したのは、それを認めるほどの「受忍限度を超えた不利益」ではないとしたためである。

 それは、「不利益があっても、我慢(受忍)しろ」と言われたことと同じであり、原告にとって受け入れ難いものである。実際、原告からは「想像力がない」「現地で生活している人の視点がない」との声があがった。

 控訴審では圧迫感など再開発事業で生じる不利益が人間としての生活を損なうほどの不利益であることを緻密(ちみつ)かつ具体的な立証をしていくことが課題になるだろう。

 本判決での受忍限度は、差し止め請求の判断でなされたものであることは理解しておく必要がある。これは被告が違法性段階論として強く主張した点である。

 すなわち差し止め請求は、損害賠償と異なり社会経済活動を直接禁止し、影響範囲が大きいため、その受忍限度は金銭賠償の場合よりもさらに厳格な程度を要求されるべき、との考え方だ。

差し止め請求アプローチ VS 損害賠償請求アプローチ

 この考えに立つならば、本件は差し止め請求であるため棄却されたが、原告に不利益が生じることは認定しており、損害賠償請求ならば認容される余地があることを意味する。すなわち再開発組合にとっては周辺住民の被害が顕在化した際には不法行為として損害賠償請求を受ける危険がある。

 周辺住民としては被害を顕在化させたくないために、再開発の差し止めを求めており、損害賠償請求を行う時は最悪の事態であるが、そのような状況になれば再開発事業も成功とは評価されなくなるだろう。

 再開発組合にとっては本訴訟に勝訴することではなく、再開発事業を成功させることが目的のはずである。再開発事業が住民にメリットではなく、不利益をもたらすものでしかないことが確認された。再開発を進める側は住民に対し、「受忍限度内だから我慢しろ」と主張することでしか再開発を正当化することができない。そのような再開発事業では、反対の声が消えることはないであろう。

 原告らは本件訴訟について控訴の意向を表明した。また、周辺住民らは世田谷区に対しても、二子玉川東地区再開発事業への公金支出差し止めを求めて住民訴訟を提訴しており、現在係属中である。

 本判決によって、二子玉川東地区再開発をめぐる紛争は、住民に不利益が生じることを前提とした、新たな戦いの段階に突入したといえる。

自然

環境問題と東西の思想の違う点

自然を受け入れるだけでは解決しない

初出:林田力「環境問題と東西の思想の違う点」オーマイニュース2008年2月13日

 環境問題に対する東洋・西洋の思想の影響について検討したい。環境問題は現代の世界にとって非常に大きな問題である。

 近代科学技術の発達の結果、環境破壊が生み出されたことは事実である。このため、環境破壊の根本的原因として、近代科学技術を生み出した西洋文明の思想的基盤が問題視されることがある。

 そこでは、自然を征服し支配する西洋思想と、自然を受け入れ共生する東洋思想を対比し、前者が環境破壊をもたらしたと主張される。

 アジアの中で日本だけが工業国であった時代は、環境破壊も先進国の問題であり、この主張も説得力を有していた。

 しかし、現代では、経済成長の著しいアジア各国で、環境破壊が進んでいる。環境対策が進む欧米先進国以上に大きな環境問題となる可能性が高い。

 問題なのは、自然と共生する東洋思想が、環境問題の解決を阻害する可能性があることである。美しい自然と共生することは、素敵なことである。しかし、あるがままの自然を受け入れるということは、汚染された自然や破壊された自然も、受け入れることにつながりかねない。

 自然を征服する西洋思想が、環境破壊を進める原動力となったことは否定しない。しかし、自然を破壊し過ぎると、人間にとっても住みにくくなる。そのため、自然保護の声が出てくる。つまり、自然を征服する西洋思想も、行き着くところまで行けば自然保護の発想につながる。

 ところが、東洋思想では自然は征服や支配ではなく、受け入れ、共生する対象である。ここからは、人間にとって暮らしやすい自然を維持し、破壊された自然を修復するという発想が生まれにくい。そのような思想的基盤のある社会で、自然を汚染し破壊する科学技術が使われたらどうなるか。

 人間の経済活動によって、自然を汚染し破壊しておきながら、積極的な手を打たず、汚染、破壊されたままにしてしまう。

 たとえばタイの首都バンコクでは、大気汚染が酷いため、警官がガスマスクを着用して交通整理をしている。これは大気汚染を規制して、空気を綺麗にしようとするのではなく、汚染された大気を前提とし、それに人間が合わせるという、自然に対する受動的な姿勢を象徴している。

 アジア諸国での環境破壊は、欧米が経験した環境破壊以上に深刻な問題となりそうである。そこには中国やインドをはじめとする人口の多い国が、工業化を進めたという量的な問題だけでなく、人間が自ら住みやすい自然を維持するという能動的な意識が、乏しいという質的な問題があるのではないか。

 一方で、西洋思想の延長線上の自然保護思想にも問題がある。自然破壊は人間にとって都合が悪いために、自然を守ろうとする論理であり、自然そのものを尊重している訳ではない。人間の役に立つから守るということでいいのか、自然それ自体に価値があるのではないか、という問いには答えが出せない。とはいえ西洋思想を、東洋思想に置き換えることで解決するような単純なものではないことは確かである。

林田力「池で泳ぐおたまじゃくしに歓喜する子どもたち」オーマイニュース2008年5月5日

ゴールデンフェスタin木場開催

 ゴールデンウィーク恒例の「ゴールデンフェスタin木場」が都立木場公園(東京都江東区)で始まった。歌謡ショーなどのイベントや陶器市・東京地酒即売会(東京地酒と酒器うつわ祭り)が開催される。

 5月4日は小雨模様であったが、多くの人で賑わっていた。4月26日に始まり、5月6日まで開催される。

 木場公園は約24万平方メートルの広大な公園で、「東京地酒と酒器うつわ祭り」会場は公園内のイベント池周辺という場所である。ここには文字通りイベント池という名前の人工的な池がある。この池を取り囲む形で屋台などが並んでいる。陶器から雑貨、家具など色々なものが販売されている。

 イベント池は先日来の雨の影響か、周囲に水が溢れる状態であった。この池から溢れた水溜りには、おたまじゃくしがいっぱい泳いでいた。おたまじゃくしがウヨウヨいる様子を見て「気持ち悪い」と叫んでいた母親もいたが、子どもたちは喜んでペットボトルの中に、おたまじゃくしを入れようとしていた。

林田力 桜記事

林田力「[東京]洲崎川緑道公園でお花見」オーマイニュース2008年4月1日

貴重なグリーンベルト

 洲崎川緑道公園は東京都江東区東陽1丁目にある遊歩道状の公園である。東京メトロ東西線木場駅と東陽町の間にあり、永代通りの南側に平行して東西に走っている。遊歩道の周囲は桜並木である。永代通り沿いにはオフィスやマンション、店舗が立ち並ぶ。永代通り自体、交通量が多い。永代通りの南側には低層の戸建てが中心だが、住宅街が広がっている。その中で洲崎川緑道公園は、貴重なグリーンベルトである。

 洲崎川緑道公園では毎年、近所の住民を中心として花見が行われる。3月30日にもあいにくの曇天で肌寒いながらも、花見が行われていた。しかし残念なことに午後になると雨が降り始め、撤収となってしまった。

林田力「[東京]横十間川親水公園の桜」オーマイニュース2008年4月7日

自然がいっぱいな親水公園

 横十間川親水公園(東京都江東区)は、横十間川を埋め立てて造られた公園である。公園には桜が植えられているだけでなく、さまざまな動植物を目にすることができる。江東区のキャッチフレーズ「水彩都市」が名前だけの看板倒れではないことを示す公園である。
 4月6日は好天に恵まれ、釣りをする人、写真を撮影する人、お弁当を食べる人と多くの人で賑わっていた。花と言えば桜を意味するように、日本人は特に桜の花を愛するが、桜しか見ないというのは生態系の立場からすれば本来は不自然である。自然の一部として桜を見るのもいいものである。

林田力「[東京]桜散る仙台堀川公園」オーマイニュース2008年4月7日

マンションの谷間の桜並木

 東京・江東区にある仙台堀川公園は区東部を縦横に走る緑道状の公園。長さという点では都内有数の規模の親水公園である。ただし緑道状の公園と説明したとおり、それほど幅は大きくなく、周囲にはマンションなどが林立し、都市化されている。むしろ都市の中に一部でも緑を残していると言うべきであろう。
 4月6日は花見をする家族連れなどが集まっていた。桜は葉桜になっており、多くの花びらが散っていた。

林田力「[東京]都営南砂三丁目第3アパートの桜」オーマイニュース2008年4月10日

身近な自然を楽しもう

 東京・江東区にある都営南砂三丁目第3アパートの敷地内にも、桜の花が咲いていました。現地は東京メトロ東西線南砂駅の付近です。
 団地の中に桜があり、団地の中で花見が楽しめるとはすてきです。わざわざ遠出しなくても、身近なところにある自然を大切にしていきたいです。

林田力「[東京]深川ギャザリアの桜」オーマイニュース2008年4月14日

粘る桜の美しさ

 東京・江東区にある深川ギャザリアは、東京メトロ東西線木場駅から徒歩数分。オフィスビルや店舗が集積する複合施設です。施設の外縁には桜が植えられています。4月6日の週は雨が多かったため、すっかり散ってしまったと思われましたが、意外にも散らずに残っていました。はかないとされる桜の花の強さを感じました。

 古来、日本で桜が愛された理由として散り際の潔さが挙げられます。「散る桜 残る桜も 散る桜」(良寛の辞世の句とされる)や「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」(細川ガラシャの辞世)と歌われたとおりです。しかし、散り際の潔さを是(ぜ)とする美意識が、侵略戦争を推進した支配層の延命を目的とした、特攻や玉砕という無謀な行為を正当化するために悪用されたという悲劇も忘れてはなりません。

 むしろ、風雨に見舞われても、ほかの花びらが散ってしまっても、しぶとく残っている花びらを見ると植物の生命の強さが感じられます。やがて散ってしまう運命は避けられませんが、それでも精いっぱい、花を咲かせ続ける桜に生物としての美しさを感じます。

林田力「[兵庫]淡路島・四国街道沿いの桜」オーマイニュース2008年4月22日

雨が降って、もう見納め?

 4月17日、淡路島に旅行する機会があり、たまたま桜の写真を撮る機会がありました。洲本市の鈴木整形外科駐車場の桜です。神戸鳴門淡路自動車道の洲本インターチェンジから四国街道(国道28号線)を南あわじ市方面に進むとたどり着けます。

 洲本市といっても西南端といってもよい場所で、中心市街からは離れています。この日はあいにくの雨でしたが、かろうじて桜が咲いていました。見納めになるかもしれない桜です。

林田力「[東京]芝浦工業大学豊洲キャンパスのフゲンゾウ」オーマイニュース2008年4月24日

桜はソメイヨシノだけにあらず

 都内のソメイヨシノはほとんどが散ってしまいましたが、風雨に負けず、咲き誇っている品種もあります。芝浦工業大学豊洲キャンパス(東京都江東区)手前の歩道に植えられたフゲンゾウ(普賢象)も、その1つです。

 フゲンソウはサトザクラ(里桜)の一種で、おしべが普賢菩薩の乗る普賢象の鼻に似ているところから命名されたと言われています。ソメイヨシノと比べると、花が団子状に固まっています。4月19日は強風に揺すられながらも、元気に咲いていました。

林田力「[東京]学習院女子大学のシダレザクラ」オーマイニュース2008年4月25日

最後に残った花びら

 東京・新宿の学習院女子大学(東京都新宿区)にはシダレザクラがありました。看板によると国文学専攻第2回卒業生が「阿倍俊子先生の御遺徳をしのんで」植えたもののようです。

 普通、樹木の枝は太陽がある天に向かって伸びるものですが、シダレザクラは枝が下向きに垂れている点が特徴です。垂れ下がった枝に花をつけるため、満開時は、まるで桜の滝のような景色になります。

 記者は4月20日に用事があって学習院女子大学を訪問し、このシダレザクラを見つけました。ほとんどの花が散ってしまった後でしたが、枝の下の方に散らずに残っている花がありました。

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