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林田力:久保帯人『BLEACH―ブリーチ―』

アニメBLEACH(ブリーチ)新章突入

オリジナルストーリー「新隊長天貝繍助編」への期待
テレビ東京系列で放映中のアニメ「BLEACH」(ブリーチ)が2008年4月23日に放送された第168話から新章「新隊長天貝繍助(あまがいしゅうすけ)篇」に入った。BLEACHは虚(ホロウ)を退治する死神の能力を身につけた高校生、黒崎一護(くろさき いちご)と仲間の活躍を描いた漫画である。週刊少年ジャンプで連載されている久保帯人のマンガが原作であるが、この「天貝繍助篇」はアニメ・オリジナルストーリーである。
それまでアニメでは原作にほぼ忠実な「虚圏(ウェコムンド)篇」を放映していた。新たにアニメ・オリジナルストーリーを放映する理由としては連載中の原作にアニメが追いつき、原作のストックが減少したことが考えられる。これは連載マンガ原作の人気アニメでは、しばしば見られることである。アニメ「BLEACH」でも過去に「バウント篇」というオリジナルストーリーを放送したことがある。
このような場合、通常、原作の話が一段落した後でオリジナルストーリーを放送するが、「天貝繍助篇」は違った。「虚圏篇」が決着していない状態で「天貝繍助篇」に入るという、かなり強引な展開になっている。
4月16日に放送された第167話では最後に、キャラクターに「大人の事情」で次回から新しい話に入ると説明させただけであった。一方で連載中の漫画も2008年4月上旬に発売された週刊少年ジャンプ第18号以降、「虚圏篇」から唐突に「過去篇」に移っていることは興味深い。
BLEACHの魅力の一つは個性的なキャラクターにある。中でも死神の世界・尸魂界(ソウル・ソサエティ)を守護する護廷十三隊の隊長・副隊長はファンの人気が高い。一護に死神の能力を与えたために囚われた朽木ルキアを救出するため、一護達は尸魂界に乗り込み、護廷十三隊と対峙することになる。
このため、護廷十三隊は主人公達にとって敵対する位置にいた。少年漫画の王道的なパターンでは主人公達が敵役を順々に倒していくことになる。ところがBLEACHの異色な点は、護廷十三隊の隊長達が順々に主人公達と戦うのではなく、それぞれの思惑で行動した点である。これによって戦いだけではなく、ストーリーに深みが増した。
この尸魂界篇に比べると、虚圏篇は、捕らえられた主人公の仲間(井上織姫)を救出するために敵地に乗り込む点は共通するが、ある敵を倒したら次の敵が登場という戦いの連続に終始する傾向が否定できない。週刊少年ジャンプで連載中の漫画が舞台を110年前の尸魂界に移す過去篇に唐突に移ったのも戦いの連続に飽きられるのを避け、過去の謎を明らかにすることで物語に深みを持たせようとしたものと考えられる。
同様にアニメがオリジナルストーリーを放送するのも原作のストック減少が主要な動機であるとしても、戦いの連続による飽きを避ける面もあったと思われる。オリジナルストーリーが「新隊長天貝繍助篇」と題し、護廷十三隊にスポットを当てる内容にしたのも、主人公側と敵側の戦いが中心の虚圏篇で出番の少ない護廷十三隊の面々を登場させたいと思いがあったのではないかと推測する。「新隊長天貝繍助篇」では護廷十三隊の面々の興味深いエピソードが放送されるのではないかと期待する。今後の展開が楽しみである。

【アニメ】『BLEACH』新隊長天貝繍助篇が佳境に

テレビ東京系列で放映中のテレビアニメ「BLEACH」(ブリーチ)が2008年7月30日に放送された第182話「天貝の実力、斬魄刀解放!」において遂に主人公と新隊長・天貝繍助(あまがいしゅうすけ)が邂逅し、名実共に「新隊長天貝繍助篇」のストーリー展開が始まった。
「BLEACH」は久保帯人が週刊少年ジャンプで連載中の漫画が原作である。主人公・黒崎一護(くろさきいちご)は虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊と戦う死神の能力を身につけることになった高校生で、物語は彼と仲間達の戦いを描く。アニメでは2008年4月23日放送の第168話から始まった原作とは異なるアニメ・オリジナルストーリー「新隊長天貝繍助篇」が継続中である。
「新隊長天貝繍助篇」は複数のアニメ・オリジナルキャラクターが登場する。タイトルになっている天貝繍助は護廷十三隊の三番隊隊長に新たに就任した人物である。護廷十三隊は死神の世界・尸魂界(ソウル・ソサエティ)を守護する組織で、三番隊隊長は前隊長の市丸ギンの謀反による出奔後は空席となっていた。隊長に就任した天貝は実力と飾らない性格で隊員の信望を集めていき、三番隊の建て直しに活躍することになる。
しかし、この話は主人公の一護らとは無関係な形で展開した。一護らの前にはオリジナルキャラクターの霞大路瑠璃千代らが登場し、新たな戦いに巻き込まれることになる。これまで「新隊長天貝繍助篇」と銘打っていても、一護らと新隊長天貝繍助には接点が全く存在しなかった。
天貝ら三番隊を中心とした話と、一護や瑠璃千代を中心とした話が並行して展開しているような状態であり、むしろ話の内容的には後者の方が大きかった。その意味で「霞大路瑠璃千代篇」とでも称した方が適切で、何のために天貝を登場させたのか理解できないほどであった。
第182話で遂に一護と天貝が顔を合わせることになった。今後は一護のストーリーに天貝が深く関係していくと予想され、ようやく「新隊長天貝繍助篇」としての実質が整ったといえる。天貝は実力がある上に話の分かる人物として描かれている。今後の活躍に期待したい。

【アニメ】「BLEACH」復讐の意義

テレビ東京系列で放映中のテレビアニメ「BLEACH」(ブリーチ)は2008年9月17日放送の第188話「決闘!天貝VS一護」で主人公・黒崎一護(くろさきいちご)が天貝繍助(あまがいしゅうすけ)と戦った。
BLEACHは週刊少年ジャンプで連載中のマンガが原作である。2008年4月23日放送の第168話から原作とは異なるアニメ・オリジナルストーリー「新隊長天貝繍助篇」を放送している。
「新隊長天貝繍助篇」はアニメのオリジナルキャラクターである天貝繍助が護廷十三隊の三番隊隊長に新たに就任するところから始まる。護廷十三隊は死神の世界・尸魂界(ソウル・ソサエティ)を守護する組織で、三番隊隊長は前隊長の市丸ギンの出奔後は空席となっていた。
ところが「新隊長天貝繍助篇」と銘打つものの、肝心の天貝繍助の登場は必ずしも多くなく、物語の前半は主人公達との接点さえ存在していなかった。これに対し、別のアニメ・オリジナルキャラクターである霞大路瑠璃千代の方が主人公と絡んでおり、「新隊長天貝繍助篇」と名付けた意義が理解できないほどであった。
その後、第182話「天貝の実力、斬魄刀解放!」において一護と天貝は出会い、行動を共にすることになる。話の分かる善玉として描かれてきた天貝であったが、実は霞大路家に対する陰謀の黒幕であった。全ては抹殺された父の仇を取るための天貝による山本元柳斎への復讐計画であった。
三番隊第3席で獏爻刀(ばっこうとう)により死神の頂点に立とうとした貴船理や、霞大路家を乗っ取ろうとした雲井尭覚では実力的にも動機の面でもラスボスとしての重みに欠ける。天貝が黒幕という展開は視聴者として良い意味で欺かれた。
ここにおいてタイトルが「新隊長天貝繍助篇」であるのも明確になる。過去には「バウント編」というアニメのオリジナルストーリーが放送された。これはバウントと呼ばれる特殊な種族と戦う物語であった。それを踏まえるならば「新隊長天貝繍助篇」も天貝繍助が最後の敵となる点で命名は一貫している。
善良そうな隊長が実は黒幕であったという展開は原作の藍染惣右介と同じである。こちらは殺されたと見せかけた人物が実は生きていて黒幕であった。その点で原作の方が意外性は高い。
また、死神への遺恨を動機とする点も、バウント編の一之瀬真樹と類似する。慕っていた先代の十一番隊隊長を更木剣八に殺されたことが一之瀬の背景にある。但し、一之瀬の恨みは剣八に向かわず、狩矢神に忠誠を誓う歪んだ形をとった。最後には剣八と直接戦うことで剣八にも認められることになる。
これに対し、天貝は父親を殺した元柳斎への復讐で一貫している。剣八が先代の十一番隊隊長を倒したのは護廷十三隊のルールに則ったものである。これに対して、天貝の説明を前提とする限り、不正の口止めのために父親は殺された。天貝が復讐心を抱くこと自体は共感できる。
しかし、一護は「隊長になるだけの力があるのに、何故、その力を復讐に使うのか」と復讐の無意味さを説く。ここには良くも悪くも少年マンガの主人公らしい前向きな発想がある。天貝は復讐こそが強さの根源と主張し、相容れない二人は激突する。
一方、不正の口止めで父親が殺されたということは天貝が主張しているに過ぎない。殺したとされる元柳斎は未だ事情を説明していない。不正を隠蔽する殺人者として元柳斎を描くことは、原作との整合性から無理がある。
そのため、最後には天貝の父親が死なざるを得なかった事情が語られるのではないか。そうなると天貝の恨みは理由のない的外れなものになる。「新隊長天貝繍助篇」が復讐は何も生み出さない無意味なものとする論理を勝たせるのか、実は間違った復讐であったという帰結になるのか、興味深いところである。
「BLEACH」は次回放送の10月7日から火曜日夜6時からに放送時間が変更される。「新隊長天貝繍助篇」が、どのような形で幕を下ろすのかにも注目したい。

「BLEACH」原作好シーンを活かすオリスト

テレビ東京系列で放映中のテレビアニメ「BLEACH」(ブリーチ)は2009年2月3日に第205話「ドキ!虚だらけの蹴鞠大会」を放送した。「BLEACH」は死神となった高校生・黒崎一護(くろさきいちご)の活躍を描く漫画原作の作品である。メインストーリーでは死神と破面(アランカル)の激闘が続いているが、前回の「一護の切腹説得大作戦☆」と今回の放送はアニメ・オリジナルの番外編的な話であった。
前回も今回もパロディー色のあるタイトルであるが、そこには力を抜いたアニメ・オリジナルのストーリーの良さがある。今回の話の中心人物は過去に放送されたアニメ・オリジナルストーリー「新隊長天貝繍助篇」で登場したオリジナルキャラクターの霞大路瑠璃千代である。瑠璃千代は霞大路家の当主としてなすべきことをめぐり、侍従の犬龍と喧嘩してしまう。二人は互いに主張を譲らず、一護達を巻き込んで蹴鞠勝負で決着をつけることになった。
格別目を引くようなストーリーではないが、原作の好シーンをリフレインさせる内容であった。例えば朽木ルキアがヘタウマな絵で蹴鞠のルールを説明し、黒猫から人間の姿に戻った四楓院夜一の裸に一護が眼を背けるシーンなどである。
また、蹴鞠勝負でもコンが改造魂魄として強化されたジャンプ力を活かし、井上織姫が破壊された鞠を復元するなど、キャラクターの能力を発揮させている。コンが悲惨な扱いを受けることも、いつもの展開である。最後には敵キャラクターの虚(ホロウ)も登場し、バトルアクションらしくまとめている。
連載漫画を原作とするアニメでは、放送が原作に追いついてしまうために途中でアニメのオリジナルストーリーを挿入する必要に迫られる。しかし、優れた作品だからアニメ化されるのであり、オリジナルストーリーが原作並みの品質を保つことは困難である。その意味で原作の好シーンを活用する「BLEACH」のオリジナルストーリーの組み立て方は原作ファンにも楽しめる内容である。
次回からはメインストーリーに戻り、仮面の軍勢(ヴァイザード)の因縁が明らかになる過去篇に入る。緊迫した展開に入る前に息抜き的に楽しめたオリジナルストーリーであった。

「BLEACH」見かけとのギャップがキャラの魅力

テレビ東京系列で放映中のテレビアニメ「BLEACH」(ブリーチ)は2009年2月24日に第208話「藍染と天才少年」を放送した。「BLEACH」は死神となった高校生・黒崎一護(くろさきいちご)の活躍を描く漫画原作の作品である。
しかし、2月10日放送の第206話から過去編として100年以上前の死神の世界・尺魂界(ソウル・ソサエティ)が舞台となっている。この過去編では主人公が全く登場せずに話が進行する。主人公の人物的な魅力が人気を集めている作品ならばファン離れが起きそうな展開であるが、むしろ「BLEACH」では面白さが増している。「BLEACH」では脇役の死神達に個性的なキャラクターが多く、その死神達の過去に迫っているのが過去編だからである。
今回の放送のサブタイトルは「藍染と天才少年」である。サブタイトルだけ読めば藍染惣右介や天才少年の市丸ギンがメインのようであるが、むしろ十二番隊隊長の浦原喜助がフィーチャーされている。隊長になったばかりの喜助は風貌も態度も頼りない。副隊長の猿柿ひよ里に何かにつけて突っかかられる
記者は完全無欠で隙のない人物よりも、普段はヤル気がなさそうであるが、実は切れ者というキャラクターに惹かれる。記者自身も普段は地味であるが、東急不動産(販売代理:東急リバブル)から不利益事実を説明されずに新築マンションを購入した件では激しく怒り、裁判で売買代金返還を勝ち取った。自身も似たような面があるため、普段とのギャップのあるキャラクターに魅力を感じる。
過去編では上述の喜助や五番隊隊長の平子真子のように見かけはユルそうだが、実は切れ者というキャラクターが多い。後に十三番隊副隊長になる志波海燕も、この時点では副隊長就任を固辞するヤル気のなさを見せている。本編では完全無欠というイメージのある朽木白哉も過去編では若く感情豊かで、簡単に挑発に乗って熱くなる性格であったという意外な事実も明らかになった。そもそも「BLEACH」ではラスボス的存在である藍染も見かけは柔和な優男である。今後も見かけとのギャップを楽しませてくれる魅力的なキャラクターを期待したい。

【アニメ】「BLEACH」斬魄刀異聞篇の魅力

テレビアニメ「BLEACH」(テレビ東京系列)は2009年7月28日に放送した第230話「新たなる敵!斬魄刀実体化」からアニメ・オリジナルの長編ストーリー「斬魄刀異聞篇」を開始した。「BLEACH」は死神が斬魄刀を武器に虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊と戦う物語である。
斬魄刀は霊力の具現化によって作られた刀で、それぞれ固有の形状や能力を持つ。具体的には火球の発射、致死毒の放射、相手の五感を奪うなど様々な能力がある。この斬魄刀の存在が「BLEACH」の戦闘シーンをバラエティに富む多彩なものにしている。その斬魄刀が「斬魄刀異聞篇」では実体化し、人間体となって死神達に反旗を翻す。
「BLEACH」のように連載漫画を原作とする作品は放送期間が長期化するとオリジナルストーリーが必要になるが、「BLEACH」の場合は特有の難しさがある。それは魅力ある敵キャラクターを作りにくいというものである。アニメ「BLEACH」は2004年10月に放送開始し、作品中では既に多くの敵と戦ってきた。このため、少しぐらいの敵キャラクターではインパクトに欠けてしまうという問題である。
「BLEACH」の基本的な敵キャラはホロウであるが、今やホロウは雑魚キャラ扱いで、死神達が全力を尽くして戦う敵ではない。しかも、原作ではホロウが進化した破面(アランカル)と死闘を繰り広げており、アニメで安易にパワーアップしたホロウを登場させるならば原作との矛盾が生じてしまう。
このため、原作には全く登場しない別次元の存在を敵キャラとする方法が考えられる。最初のオリジナル長編「バウント篇」がそれである。これらならば原作との矛盾を心配せずに済むが、敵キャラの独自性を強めすぎると原作の雰囲気を損なうという欠点がある。
別の方法としては死神を敵キャラとすることが考えられる。これは二番目のオリジナル長編「新隊長天貝繍助篇」が該当する。これは原作の雰囲気を損なわないが、ストーリーを作るのが大変である上、原作との矛盾が生じやすい。
これに対し、「斬魄刀異聞篇」では死神達と共に戦ってきた斬魄刀を擬人化し、敵キャラクターとして登場させた。原作にはない展開でありながら、原作の雰囲気を損なわない上手い展開である。擬人化された斬魄刀も美形やカワイイ系もいて魅力的である。初回で数多くの斬魄刀キャラが登場したが、今回から一新されたエンディングでは死神と斬魄刀の対比になっているので分かりやすい。新たなオリジナルストーリーへの期待が高まる放送であった。

『BLEACH第34巻』一筋縄ではいかないキャラの強さ

本書(久保帯人『BLEACH―ブリーチ―第34巻』集英社、2008年7月4日発行)は週刊少年ジャンプに連載中の漫画の単行本である。前巻に引き続き、破面(アランカル)に連れ去られた井上織姫を救出するため、虚圏(ウェコムンド)に乗り込んだ主人公・黒崎一護(くろさきいちご)達の戦いを描く。
一護達は立ち塞がる破面を倒していったものの、破面の上級幹部の十刃(エスパーダ)には苦戦し、追い詰められた状態になっていた。絶体絶命のピンチを救ったのが護廷十三隊の隊長達である。この巻では従前の一護達と破面との戦いから、護廷十三隊の隊長と破面との戦いにシフトする。
『BLEACH』で興味深いのはキャラクターの強さである。バトル物の漫画では主人公達は次々と強敵と戦い、戦いを経る毎に格段に強くなっていく宿命にある。そのため、主人公は過去に苦戦したキャラクターよりも遙かに強力になるという、強さのインフレ状態に陥りがちである。
ところが『BLEACH』においては、直線的な強さの物差しでは測れない面がある。一護は尸魂界潜入篇において護廷十三隊十一番隊隊長の更木剣八を退けた(引き分けという見方もある)。その後、一護は卍解や虚化を習得し、格段に強くなった筈である。
一方、剣八は尸魂界潜入篇で一護と戦った後、眼帯を付けて霊力を抑制した状態で、九番隊隊長の東仙要を圧倒している。その東仙は藍染惣右介に従って謀反を起こした後、破面の統括官になるが、十刃のグリムジョー・ジャガージャックの左腕を切り落とすほどの強さを示す。
このグリムジョーと一護は戦い、虚化によって辛うじて勝利したものの、満身創痍になってしまう。一護は卍解や虚化を習得する前の段階で剣八に勝ったにもかかわらず、剣八が圧倒した東仙の下に位置するグリムジョーには、虚化によってようやく勝利できたことになる。
そして満身創痍の状態で新たな十刃ノイトラ・ジルガとの戦いを余儀なくされた一護を助けたのは剣八であった。一度は一護が倒した剣八であるが、一護以上に強力な頼もしい存在に映る。
このように『BLEACH』の世界ではキャラクターの強さを直線的に位置付けにくくなっている。この点に単純なバトル物とは異なる味わいがある。一筋縄ではいかないキャラクターの強さにより物語の深みを増していると考える。
また、『BLEACH』の戦闘の特徴として、斬魄刀の始解・卍解や破面の場合の帰刃(レスレクシオン)により強さが段階的に変わる点がある。この繰り返しで間延びしてしまうというデメリットがある。次巻で展開される剣八とノイトラの戦いは特に顕著である。
伝統的な少年漫画ではキャラクターは修行によって強くなった。しかし、修行したら強くなれるならば誰もが修行することとなってしまう。『ドラゴンボール』ではカリン様、神様、界王のところと皆が修行することになり、ワンパターン化が指摘された。
作品は社会を映す鏡とされるが、現代の格差社会では努力して上昇するというスタンスが受け入れにくい面がある。『BLEACH』だけでなく、『ONE PEICE』も修行という要素は乏しい。その点で、これらの作品は極めて現代的である。

『BLEACH』第48巻、斜め上の展開で破面篇完結

久保帯人が『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『BLEACH―ブリーチ―』の最新刊第48巻が12月3日に発売され、破面(アランカル)篇が完結した。
『BLEACH』は虚(ホロウ)を退治する死神の能力を身につけた高校生、黒崎一護(くろさき いちご)と仲間の活躍を描いた漫画である。破面は死神の力を手に入れた虚で、破面篇の主要な敵キャラクターである。
破面篇は以前のストーリーから完全に独立したオムニバスではなく、連続している。破面を率いる藍染惣右介は、その前の尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇で尸魂界を裏切った。死神の力を手に入れた虚の対照的な存在は、虚の力を手に入れた死神であるが、既に一護は尸魂界篇で虚化していた。尸魂界篇では謎であった虚化のカラクリが破面篇で説明されることになる。
また、虚の力を手に入れた死神の集団・仮面の軍勢(ヴァイザード)の中心人物である平子真子(ひらこ しんじ)は、第1話「Death & Strawberry」の見開きに井上織姫やチャドら主要キャラクターと共に登場していた。
破面篇は尸魂界篇の黒幕であった藍染と決着をつける。尸魂界篇は物語の最初の死神代行篇で朽木ルキアが一護に死神の力を分け与えたことが発端になっている。その意味で破面篇が完結する第48巻は連載開始時からの『BLEACH』の大きな区切りである。
護廷十三隊の隊長格や仮面の軍勢に対して圧倒的な力を見せた藍染であったが、最後は意外にもあっけなかった。実は『BLEACH』では戦闘のワンパターン化が指摘されている。劣勢なキャラクターがパワーアップして、逆転勝利するという展開である。もともと『BLEACH』では死神の卍解(ばんかい)や破面の帰刃(レスレクシオン)のようにキャラクターが最初から本気では戦わず、奥の手で本気を出す仕組みになっている。
これは藍染との戦いでも同じで、格段にパワーアップした一護が登場する。ところが、決着の要因は別のキャラクターが大分前に仕掛けた罠であった。誰も予想できない斜め上の展開であった。
破面篇の完結によって過去の伏線の多くが回収されたものの、新たな謎が生まれた。一護の父・黒崎一心は死神であった。一心がどのような死神であり、どうして人間として生活していたのかは謎のままである。現在、『週刊少年ジャンプ』で連載中の死神代行消失篇に期待したい。

『BLEACH』第50巻、死神代行消失篇に過去の長編設定のアナロジー

久保帯人が週刊少年ジャンプで連載中の漫画『BLEACH―ブリーチ―』第50巻が、6月3日に発売された。この巻は前巻から始まった「死神代行消失篇」の2巻目で、謎の存在であった銀城空吾や毒ヶ峰リルカらが主人公の黒崎一護に接近した目的が明らかにされる。
『BLEACH』の長編ストーリーは「尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇」「破面(アランカル)篇」と連載中の「死神代行消失篇」に大別される。最初の長編ストーリーになる「尸魂界篇」はストーリーが練られていた。「尸魂界篇」では囚われた朽木ルキアを救出するため、一護達が尸魂界に乗り込み、護廷十三隊と対峙する。
ここでは護廷十三隊は主人公達にとって敵対する存在である。少年漫画の王道的なパターンでは主人公達が敵役を順々に倒していくことになる。ところが『BLEACH』は護廷十三隊の隊長達が順々に主人公達と戦うのではなく、各々の思惑で行動した点で異色であった。これによって戦いだけではなく、ストーリーに深みが増した。
それに比べると単行本第21巻から第49巻までの長丁場になった「破面篇」はバトルが多い反面、間延びしていた。ある敵を倒したら次の敵が登場という戦いの連続に終始する傾向があった。敵キャラクターの破面は主人公サイドの人間や死神とは異質な存在であり、ネリエルのような例外的存在を除き倒すべき敵でしかない。その例外的なネリエルも消化不良のまま終わってしまった。
これに対して「死神代行消失篇」はバトルには華がない。何しろ一護は死神の能力を喪失した状態である。その代り、謎だらけのストーリーに惹き付けられる。銀城は一護に近付いた理由を説明するが、まだまだ裏があるような態度である。さらに銀城達と対立する月島秀九郎や、一護の父親の黒崎一心、浦原喜助の動きにも謎がある。
このように「破面篇」とは様相を異にする「死神代行消失篇」であるが、過去の長編設定のアナロジーを楽しむこともできる。「破面篇」では謎の集団「仮面の軍勢(ヴァイザード)」が一護に接触し、「死神代行消失篇」でも謎の集団「XCUTION」が一護に接触する。しかも、共に集団のリーダー格(仮面の軍勢では平子真子、XCUTIONでは銀城)が自ら一護に接触している。胡散臭そうな第一印象を与えた点も同じである。
また、「尸魂界篇」も「破面篇」も共に主人公達が囚われた女性キャラクター(ルキア、井上織姫)を救出しに敵地に乗り込んでいる。これまでのところ「死神代行消失篇」では誰も囚われていないが、織姫が月島の謎の能力「ブック・オブ・ジ・エンド」で斬られ、外傷は負わなかったものの心理面で何らかの影響を受けている。奪われた織姫の何かを取り戻すための戦いを予想させる展開になっている。(林田力)

週刊少年ジャンプ巻頭カラーで『BLEACH』巻き返しなるか

8月22日発売の『週刊少年ジャンプ』37号で久保帯人の『BLEACH−ブリーチ−』が巻頭カラーとなった。連載10周年を記念したもので、『ジャンプ』の表紙も主人公の黒崎一護が描かれている。これを機に人気低迷の声もある『BLEACH』の巻き返しが期待される。
かつては尾田栄一郎の『ONE PIECE』と岸本斉史の『NARUTO-ナルト-』に、『BLEACH』が『ジャンプ』の三枚看板として君臨してきた。ところが、『BLEACH』は現在連載中の死神代行消失篇では失速し、最近のジャンプ中での掲載順も後ろの方であった。
それを象徴する出来事が前号にあたる35・36合併号の表紙である。ここでは『ONE PIECE』の主人公ルフィと『NARUTO』の主人公ナルト、それに島袋光年の『トリコ』の主人公トリコが描かれている。夏の合併号では三枚看板の主人公を中心とした表紙が好例になっている。昨年の36・37合併号はルフィ、ナルト、一護の3人が流しソーメンを食べる絵であった。
『BLEACH』の三枚看板落ちをもたらした死神代行消失篇は、戦いの代償として死神の力を失った一護が死神の力を取り戻そうとするストーリーである。この死神代行消失篇の低迷には複数の要因がある。
第一に敵の正体や敵の動機が不明確で、読者が飽きてしまうことである。これは直前までの破面(アランカル)篇の反動である。破面篇のラスボスは謀反人の藍染惣右介であり、敵は死神と相いれない破面であった。戦う理由は明確であった。そのためにバトルの連続というバトル漫画のマンネリ要因にはまってしまった。これに対して死神代行消失篇ではミステリー色を濃くしたものの、展開が遅く、裏目に出た形である。
第二に死神代行消失篇は現世を舞台としており、人気キャラクターの護廷十三隊の面々の出番がないことである。個性的な護廷十三隊の隊長・副隊長達が『BLEACH』の大きな魅力であった。
第三に強さのデフレである。主人公が死神の力を失った設定であるために仕方がない面があるが、過去の戦闘と比べるとスケールが小さい。これはバトル漫画としての魅力を削ぐことになる。
しかし、巻頭カラーで盛り上げた37号では、これらの要因を克服する展開となった。『BLEACH』が過去の勢いを取り戻せるか、今後の展開に注目である。
(林田力)
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